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「mixi」2000万ユーザー突破 「世界のSNS競争は始まったばかり」と笠原社長

» 2010年04月14日 15時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ミクシィは4月14日、SNS「mixi」のユーザー数が2000万人を突破したことを発表した。2004年2月のサービス開始から6年、07年5月の1000万人突破から3年で達成。「4000〜5000万人規模を目指したい」と笠原健治社長は意気込みを述べ、グローバルなSNSプラットフォーム競争に備えてサービスを継続的に強化する考えを示した。

CM展開も「性急なユーザー獲得は目指していない」

 「2000万人突破は思ったより早かった」――mixi登録ユーザーの月間増加数はここ2年ほど20〜30万人前後で落ち着いていたが、「mixiアプリ」や、同じ学校のユーザーを探せる「mixi同級生」開始などで徐々に増加。今年3月、招待状なしで使える登録制をスタートするとともに全国でテレビCMを展開した効果で、74万人に急増した。

画像 mixiの3種類のCMに出てくる全員が「つながっている」。Webサイトより

 「性急なユーザー獲得は目指していない」という。実際、テレビCMも、友人や同僚がmixiでコミュニケーションする様子を描くドキュメンタリー風。ネットサービスのCMで定番となっている、サービスのURL表示や、「続きはWebで」など検索を誘導するための内容もない。

 「mixiは説明しづらいサービス。新規ユーザーにも、人と人との心のつながりというmixiのコアバリューを理解した上で入ってもらった方が、アクティブに長く使い続けてもらえると考えた」ためという。CMは3月でいったん終了。CMがきっかけで始めた人の継続利用の状況などを調査し、効果を検証していく。

 登録制、マス広告展開を前に、友人とつながる機能も強化してきた。「mixi同級生」は、これまでに413万人が利用。mixi同級生経由でのマイミク申請は、承認率が平均より10%高いという。

 今後は「mixiアプリ」の拡大や、Twitter風ひとことサービス「mixiボイス」の機能強化など、地道な改善でユーザー数を積み上げていきたい考えだ。

mixiアプリ好調 GREEやモバゲーは「まったく気にしていない」

画像 笠原社長

 mixiアプリは予想を上回る好調。4月1日現在、PC版で904アプリ、モバイルで523アプリが登録されており、昨年12月末時点でのページビューは109億に上るが、まだまだ伸びしろがあるとみる。

 「国内ゲーム会社や、海外の有力ソーシャルアプリベンダーにもう少し多く参入してもらえるよう働きかけている。協力が得られれば、大ヒットアプリがさらに出てくるのでは」

 GREEやモバゲータウンがソーシャルゲームで収益を急拡大させている一方、mixiはゲームの利用増を収益につなげられていないが、その違いは「まったく気にしていない」という。

 「GREEやモバゲーは従来のオンラインゲーム市場を狙っているが、mixiのソーシャルアプリは現実社会と地続きの人脈でコミュニケーションするためのもの。狙っている市場がまったく違う。mixiアプリは収益の立ち上がりには時間がかかると思うが、中長期的に広く大きな市場を作りたい」

 mixiアプリのソーシャルゲームの中には、プレイしているマイミクシィが多いほど有利に進められるものもあり、ゲームのために見知らぬユーザー同士でマイミクを募る、オンラインゲーム的な動きも出ている。同社は、アプリ用のマイミク募集を公式コミュニティーで行わないようアプリケーションプロバイダーに知らせるなど、対策を取っているという。

Twitterとmixiボイスは「住み分けられる」

 Twitterユーザーが拡大しており、「Twitterを始めてからmixiへのログインが減った」という声もある。笠原社長は「Twitterのオープン性はすばらしいと思う」とした上で、つぶやきをネット全体に公開することが前提のTwitterと、マイミクのみに公開できる「mixiボイス」は「中長期的には住み分けられる」とみている。

 「mixiボイスの利用は伸びており、今後の改善で大きく伸ばせる」。mixiボイスの機能強化も、今後発表する予定だ。

「グローバルなSNS競争、始まったばかり」

 mixiの伸びしろはまだ広いとみている。「米国のFacebookや韓国Cyworldはそれぞれ自国の人口の半分ぐらいが使っている。mixiもサービスの改善を積み上げることで、まだまだ伸びしろがあるのでは。より多くの人により楽しくコミュニケーションしてもらう中で、3000万〜5000万人に到達できればいい」

 競合は、モバゲーやGREEではなく、Facebookや中国「開心網」「人人網」など現実の人間関係をベースにした世界のSNS。ミクシィは2008年から中国に現地法人を設立してSNSをスタートしているが「まだうまくいっていない」という。

 「世界68億人のうち、数十億人がSNSを使う時代が来るのでは。世界最大のFacebookでもまだ4億人で、競争は始まったばかり。サービスの質を高め、グローバルなSNSに互していけるよう、日本発のSNSとして頑張りたい」

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