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物を売れる“プロフ” ギャルに人気の「ショッピーズ」、30万人が支持する理由(1/2 ページ)

» 2010年05月06日 09時53分 公開
[小笠原由依,ITmedia]
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 会員数は30万以上、主なユーザーはギャル。ピンクで彩られたサイトには、きらびやかなプロフィール画像や絵文字、ギャル文字が踊る。

 モバイルサイト「ショッピーズ」(PCからもアクセス可能)は、プロフィール画面を兼ねたショップを作り、ユーザー同士で商品を売買できるサイトだ。商品は現金かポイントで購入でき、ポイントを使っていらない服と欲しいものを交換するなど、物々交換感覚で使うユーザーも多い。

 今でこそ30万人以上に使われているが、開設から2年間、ユーザー数はほとんど伸びなかった。サイトに転機をもたらしたのは、ファッション好きな若い女性やギャルといった現在のターゲットから拾ったニーズだった。

「自分のお店」でプチ売買

 同サイトの主なユーザーは10代後半〜20代前半の女性。「ポップティーン」や「小悪魔ageha」などを読むいわゆる“ギャル”層が多い。華やかなサイトデザインでピンクを基調に絵文字や画像が多く使われている。

 ユーザーは、自己紹介などプロフィールを設定し、「ショップ」を作って売りたい商品を出品、ほかのユーザーに販売する。

 ショップは背景色や文字色を変えられるほか、「ショピコレ」という有料のデザインスキンを使って華やかにすることも可能。カスタマイズした“自分のお店”という感覚が、友人に紹介するモチベーションにもつながるという。

 出品物の8割は、洋服やコスメ、美容関連の商品だ。平均単価は1500円と低価格で、「商品を安価で取引できる点が若い女性に受けている」と、運営元のITベンチャー、スターダストコミュニケーションズの井上大輔社長は話す。

 アクセス先に自分のユーザーネームが残る「あしあと」機能を利用し、ユーザーネームに「大特価中」と付けてほかのユーザーのページを回ったり、タイムセールを実施して購入者を誘い込むなど、ユーザー発の販促活動も盛んだ。

1日の取引、約4000〜5000件 物々交換感覚でポイント循環

 購入に使える決済手段は、おサイフケータイに搭載されたEdy、コンビニ決済、商品が売れた場合などに入手できる独自ポイントだ。コンビニ決済、おサイフケータイの場合には200円の決済手数料がかかるが、ポイントの場合には手数料がかからない。

 売り手は、売り上げすべてをポイントで受け取る仕組み。売れた商品の価格から出品手数料数%を引いた額と同等のポイントが支払われる。ポイントは買い物に使えるほか、210円の手数料を支払えば1ポイント1円で換金できる。ポイントは、お金に換えるユーザーより、買い物に使うユーザーの方が多いという。

 1日の取引件数は約4000〜5000。ユーザー同士のやりとりの間に同社が入るエスクロー方式で、購入者が先に支払いを済ませ、支払いを確認した上で出品者が商品を送る。受取人は、商品が届いたら受取通知を行い、受取通知が完了した時点で、出品者に対価が支払われる。

 「買ったけど着てみたらイメージとは違った洋服などを売り、代わりに得たポイントで、欲しいものを安く手に入れるという物々交換感覚のユーザーが多い。ポイントの循環ができている」。サイト内を見てまわると、「交換希望!」と、商品の物々交換を希望するユーザーを見かけることも多い。

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