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「最強連合」と孫社長 中国最大のECサイト「タオバオ」の商品、Yahoo!JAPANから購入可能に

» 2010年05月11日 07時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ヤフーと、中国最大のECサイト「タオバオ」を運営する中国タオバオ(Taobao)は5月10日、「Yahoo!ショッピング」とタオバオの取り扱い商品を相互取引できるサービスを、6月1日にスタートすると発表した。

画像 中国で会見するソフトバンクの孫社長。ソフトバンクはヤフーと、タオバオ親会社のAlibabaグループに出資している

 両サイトがAPIを相互提供し、両国内に購買代行サイトを構築。日本のYahoo!ショッピングのユーザーがタオバオの商品を注文し、自宅に届けてもらったり、中国のユーザーがYahoo!ショッピングの商品を注文できるようになる。

 まずは、タオバオの商品のうち5000万点を、日本のYahoo!ユーザーが購入可能になる予定。Yahoo!ショッピングからは800万点を、タオバオユーザーに提供する。注文方法や手数料など詳細は、6月1日に日本で発表する。

「最強連合」と孫社長 “世界最大のECサイト”に

 「中国ナンバーワンのタオバオと、日本ナンバーワンのヤフーの提携は最強連合。きょうは歴史的な1日になった」――ソフトバンクの孫正義社長は同日、中国・杭州で開いた会見でこう話した。同社はヤフーと、タオバオ親会社・Alibabaグループに出資。両社の提携は孫社長の悲願でもある。

 タオバオはC2CとB2CのECサイトを運営。総取り扱い点数は4億点、ユーザー数は2億人、年間流通総額は約3兆円に上るという。Yahoo!ショッピングと合わせると、取り扱い点数は4億5000万点、ユーザー数は2億6000万人、流通総額は3兆8000万円と「eBayを超えて世界最大のECサイトになる」。


画像 タオバオトップページ。タオバオには“偽iPad”も多数出品されるなど、コピー商品や偽ブランド品の取り扱いも多い。そういった商品は日本からは購入できない仕組みを構築するという

 「これからはアジアの時代だ」と力説する孫社長は「10年前はネットユーザーの5割が米国人だったが、5年後にはアジアのネット人口の5割がアジア人になる。世界最大のオンラインショッピング市場を作り、日中経済圏成長に貢献したい」と述べた。

 Alibabaグループのジャック・マーCEOは「日本の市場は奥が深く、中国の市場は広いが浅い。中国での日本の商品のニーズは大きく、タオバオとYahoo!JAPANは相互補完できる」と話す。

 タオバオの海外進出は初。日本を皮切りに、米国などほかの国にも進出していきたい考えだ。「もうけるだけでなく、世界の人々に貢献したい」とマーCEOは意気込んでいる。

画像 孫社長とマーCEO(左)の出会いは10年前。孫社長はマーCEOに初めて会って5分後、まだ従業員10人程度だったAlibabaに出資を決めた。「マーCEOの目の輝きを見て、間違いなく“世界のジャック・マー”になると確信した」という

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