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GREEで「サカつく」や「リッジレーサー」も オープン化ゲーム第1弾公開

» 2010年06月29日 10時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 グリーは6月29日、外部企業がGREE向けソーシャルゲームを開発できる「GREE Platform」のゲーム第1弾を公開した。セガやスクウェア・エニックスなど大手ディベロッパーを含む約30社が参加。メジャータイトルを含む約40種類を用意した。

 プラットフォームのオープン化ではmixi、モバゲータウンに遅れたGREEだが、大手メーカーのメジャータイトルを投入することで一気にユーザーを広げたい考えだ。

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 サッカーチーム育成シュミレーションゲーム「プロサッカークラブをつくろう!」のソーシャルゲーム版「サカツクG」、「ファイナルファンタジー」シリーズで人気のキャラ「チョコボ」を育てる育成ゲーム「チョコボとクリスタルの塔」(スクウェア・エニックス)、レースゲーム「リッジレーサー」のソーシャルゲーム版「リッジレーサー for G」(バンダイナムコゲームス)などをラインアップ。それぞれ現時点では他社プラットフォームにはないGREEオリジナルタイトルだ。

 田中良和社長自ら、ゲームメーカーの幹部などにソーシャルゲームのメリットを説いて回り、ゲーム提供にこぎつけたという。「みんなが知っているメジャータイトルを投入することで、これまでソーシャルゲームを敬遠していた人にもやってみようと思ってもらい、ユーザーのすそ野を拡大できる」と、田中社長は期待する。

約半数がGREEオリジナル まずは厳選した少数精鋭で

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 mixiアプリモバイル版、モバゲーとも、スタート当初から約100種類のアプリを提供していたが、GREEはその半分以下に抑えている。「使い勝手などでユーザーを混乱させたり、がっかりさせたくない」と田中社長はその意図を説明。まずは質の高い少数精鋭を試してもらい、ソーシャルゲームに慣れてもらいたい考えだ。

 「サンシャイン牧場」(Rekoo)、「ハッピーアクアリウム」(ドリコム)など、他社プラットフォームで人気のアプリもあるが、全ゲームのうち約半数は、他社にはないGREEオリジナル。メジャーゲームとオリジナルタイトルの力で、後発ながらユーザーをがっちりつかんでいきたい考えだ。

 GREE Platform発表当初、「『SNSにゲームが増える』という狭い話ではない」などと語っていた田中社長だが、実際は、ゲームを投入するところからスタートした。

 「ゲームは、ソーシャルプラットフォームを広げていく上で最も分かりやすいコンテンツなので、まずはゲームを増やしていく。だがゲームだけのプラットフォームにするつもりはなく、ゲーム以外のアプリ提供会社とも話している。近いうちに発表できると思う」

「1億人に使われるサービスに」 社員全員にiPadを配布 iPhone購入補助も

 GREEのユーザー数は3月末時点で1843万人。近く世界に進出し、「日本で3000〜4000万人、世界で1億ユーザーを目指す」のが次の目標だ。「1億人に使われている日本のサービスはないのではないか」

画像 田中社長。グリーのオフィスエントランスは、東証1部指定替えを祝う贈り物の胡蝶蘭に埋め尽くされていた

 世界進出の具体的な予定は「まだ発表できる段階にない」が、まず第1歩として、社員全員にiPadを配布することに決めたほか、iPhoneやAndroid端末などスマートフォンを購入する際、購入額の9割を補助する制度も始めた。

 「これから世界で一番使われるプラットフォームは、iPadやスマートフォンのような携帯型端末だろう」という考えがその背景にある。「PCがなくなるとは思わないが、コンピューティングに占める割合は低下していくだろう。3〜5年、10年スパンで新しい世界に変わっていということを前提に考え、Appleのように世の中を変える会社になりたい」

 GREEのスマートフォン版も「近日公開する」という。

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