「GREE Platform」の強み mixiやモバゲーにないものは
SNS「GREE」向けアプリケーションを外部開発者が制作できる「GREE Platform」が3月1日、始動した。グリーの田中良和社長は、先行するミクシィの「mixiアプリ」、ディー・エヌ・エー(DeNA)の「モバゲーAPI」にはない強みをアピールする。
GREE PlatformはOpenSocialベースで、当初は携帯電話向けゲームでスタート。アプリ制作・運用体制などを審査した上で、まずは数十社のパートナー企業を選定し、ゲームを制作してもらう。課金・広告収入の7割が、パートナー企業に渡るスキームだ。プラットフォームは順次、PCサイトや個人開発者に開放するほか、ゲーム以外のアプリにも広げていく。
強みは「経験」
約3年にわたるソーシャルゲーム開発や運用の経験をパートナー企業に提供できる点が、DeNAやミクシィにない強みという。
ソーシャルゲームには、ユーザー同士のコミュニケーションを誘発しながら継続的に遊ばせたり、季節やニーズに合ったアイテムをその都度販売したり、急増するトラフィックに対処できるインフラを構築するなど独特のノウハウや準備が必要になる。
パートナー企業向けに、グリーのゲームプロデューサーなどが企画・開発をアドバイスするワークショップを行うほか、ユーザーの行動を分析するツールや、ユーザーサポートツールも提供、不適切な投稿の監視もグリーが行う。
「これまでグリーも、ソーシャルゲームの開発や運営、収益化に試行錯誤してきた。すでにソーシャルゲームを運用している企業からは『始めたものの流行らない』といった声も聞く。グリーならノウハウを提供できる」と田中社長は胸を張る。
GREEには「ソーシャルゲームの課金に慣れた可処分所得の高い30代以上のユーザーが多い」(30代以上の割合は42%、全登録ユーザーは1673万人:昨年12月末)ことや、「今後、ゲームだけでなく、さまざまなアプリケーションをフルラインアップで構築できるようになる」点も強みと田中社長は強調。GREEの国際化に合わせ、ソーシャルアプリの海外展開も視野に入れているという。
ジョイントベンチャー設立も視野
当初、法人限定でプラットフォームを開放したのは、流行するソーシャルゲーム作りにはある程度の規模が必要と考えているため。「100万人のアクセスに耐えるサーバを用意したり、アバターアイテムを月100個作り続けたりといったことは、簡単ではない。まずは法人に限定して質の高いゲームを出し、ソーシャルゲーム=面白いというイメージを作っていきたい」
「mixiファンド」と同様、ソーシャルアプリプロバイダーを資金面で支援する「GREE Fund」を設立。開発資金の支援や出資、融資だけでなく、資金を出し合っての共同開発やジョイントベンチャー設立など、「さまざまなニーズに対応したい」としている。「大規模なサービスが急成長するのがソーシャルゲーム。資金力・サーバリソースがネックになる」
ソーシャルゲーム制作会社の株価が急騰するなど市場はバブルとも言えるほど盛り上がっているが、ゲーム以外のソーシャルアプリはまだまだ発展途上だ。「ゲームの流行は第一段階。ソーシャルアプリの可能性を広げ、新しい形のWebを模索したい」
グリー急成長支えた内製ゲームとの兼ね合いは
ソーシャルゲームと各社の業績の関係を見ると、mixiアプリで先行してプラットフォームを開放し、内製ゲームを持たないミクシィは、mixiアプリのコスト負担で2010年3月期の業績見通しを下方修正。一方DeNAは、昨年10月に投入した内製ソーシャルゲームのアイテム課金が好調で再び成長軌道に乗ったが、モバゲーAPIで今年1月以降に導入した他社製ソーシャルゲームが「内製ゲームと多少は食い合う恐れもある」(南場智子社長)とみている。
グリーは課金型ソーシャルゲームで先行して破格の急成長をとげたが、プラットフォーム開放では最後発。開放後は、これまで独占してきた課金ゲーム収入を他社に奪われる恐れもあるが、田中社長はこうした考えを否定する。
「収益はGREE全体で増える。任天堂がマリオとゼルダだけを出してドラクエを禁止していたらもうかったかというと、そうではない。サードパーティーのゲームがあればファーストパーティーが売れないというのは、言い訳に過ぎない」
「われわれも、いま提供している4つのゲームだけで何年も続けられるとは思っていない。内製ゲームは何千万人もをターゲットにしているが、20万、30万ユーザーなどニッチを狙ったゲームも求められている。mixiアプリやモバゲーAPIを見ても、サードパーティーのゲームは面白い。われわれが全部を作るのではなく、サードパーティーと連携していきたい」
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