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» 2010年09月07日 18時33分 UPDATE

「たいへんな所に来ちゃった」 はてなからグリーに移った伊藤直也さんに聞く (2/3)

[岡田有花,ITmedia]

伊藤 そういう、「こっちが上でこっちが下」という考え方は好きじゃない。「こっちのユーザー層じゃなきゃサービス作りたくない」というのは全然ない。自分が作ったサービスで人がコミュニケーションして、何かしら楽しかったり、救われたり、暇な時間をつぶせたり、やっててよかったと思ってくれたら何でもやりたい。

――起業は考えなかったのですか。

伊藤 ないです。起業は以前、考えたこともあったが、向いてないと思う。社長はサービスから離れ、純粋に組織を強くするとか、いろいろやらなくてはならない。そこまでいろんなことができるわけではないので。

2人は「ネットオタク友達」

田中 伊藤さんとはGREEを作る前からの友達。03年ごろ、伊藤さんがニフティに、僕が楽天にいたころに知り合い、インターネットの未来について5時間、10時間と延々と話す「インターネットオタク友達」だ。GREEを1人で作ってたころ、伊藤さんにプログラミングやサーバのセッティングを教えてもらっていたし、GREEの機能を作ってもらったこともある。

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 伊藤さんとは以前から一緒に働いてみたいと思っていて、今回たまたまタイミングが合った。ネットに対する感覚は、僕の方がビジネスライクで、伊藤さんはより技術ライク。僕は将来流行するものを見通すのが得意。伊藤さんなら、僕が作りたいものを伊藤さん流に解釈して作ってもらえるかなと思った。

伊藤 GREEがモバイルサービスを始めるころ、僕はモバイルがSNSの戦場になると気付いていなかったが、田中さんは「これからはモバイルだ」と言っていた。その時は「何言ってるんだろう」と思ったが、実際に流行した。ソーシャルゲームの時もそうだった。

 自分は大きなトレンドを長い目で読むのが得意でないが、トレンドが来たとき、どういうものを作れば使ってもらえるか、面白いかを考えたり作るのが得意。そういうビジョンを見通せる人と一緒にやりとたいと考えていた。

田中 グリーはエンジニアがドライブして新しいネットサービスを作っていくが、エンジニアだけではいいサービスはできない世の中。デザイナーや、テレビCMのチームなど、いろんなプロが集まらないと、エンジニアが作ったものを本当に大きなサービスにできない。そういった部分で、僕は伊藤さんを助けられればいいかなと思う。

――伊藤さんはグリーでどんな仕事をするのですか。

田中 GREEのiPhoneやAndroid版を筆頭に、日記を書くなどSNS的な機能、ソーシャルゲームではないSNS本体の機能を担当してもらっている。SNS機能は、良くしていける部分がまだまだある。伊藤さんの経験をいかして変えてもらえれば。

伊藤 コミュニケーションの総量を増やすための調整や機能強化を丁寧にやっていきたい。チームを動かし、マネージメントをしながら、画面の設計やコードを書いたりしている。

「たいへんな所に来ちゃったな」

画像 GREEは7月、六本木ヒルズに移転した

――グリー入社から1週間。働いてみた印象はどうですか?

伊藤 スピードがすごく速くて、「たいへんな所に来ちゃったな」というのが正直なところ。入る前から、以前はてなで同僚だった輿水(輿水宏哲さん。ヤフーからはてなに転職、その後グリーに移った)などから話は聞いていたが、覚悟が甘かった。

 グリーが競争の渦中にいるのがよく分かる。「あそこの会社がこういうサービスをやった」となると、それに対抗する形で「もっとユーザーが喜ぶものを」とお互いに上書きしていき、品質が上がっていくのを目の当たりにしてびっくりする。競争原理が働かないといいサービスが作れないと聞くが、それを体現している。

 意思決定がとにかく速い。普通なら「来週ぐらいに解決しよう」と言いながらなぁなぁになってしまうような問題が、その瞬間にばんばん決まる。開発陣が何かで待たされて進まない、ということが、周りを見ている限りほとんどない。

 GREEのスマートフォン版は、いま入社2カ月のエンジニアが1カ月ちょっとで作ったと聞いた。あるミーティングではすごく練られた事業計画に驚いたが、それを作った人も入社1カ月。「どうなっているんだこの会社」と思った。

 初日からアクセル全開なので、いろんなことがインプットされていて、頭の中が全開になっている。今までコードはPerlで書いていたけれど、PHPやJavaScriptなども勉強中。週末も一生懸命プログラムを書いて、家に帰ってコードを書いて練習して、覚えた技術を会社のプロダクトに組み込んで――という繰り返し。久しぶりな感覚で楽しい。

 エンジニアには、(1)自分で作りたいものを作りたい、(2)自分が蓄えてきた能力やスキル、技術を、必要としている人に使っていきたい――の2つがある。今まで前者は満たされていたが、後者に関してはあまりなかった。“偉くなりすぎた”せいで、何かに押されて言語を覚えないということもなかったが、環境が変わり、あれもこれもやらないといけなくなった。それが楽しい。

「ネットはこういうことができる、を届けたい」

――どういうサービスを作っていきたいですか?

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