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クラウドでデータを同期・共有「SugarSync」、日本で本格展開 日本円支払いOKに

» 2010年12月02日 16時59分 公開
[宮本真希,ITmedia]
画像 SugarSync

 クラウド上でデータを同期・共有・バックアップできる「SugarSync」が12月14日、日本円での課金や日本語による電話サポートに対応し、日本向けサービスを本格化する。

 今年9月、米SugarSyncとソフトバンクBB子会社・BBソフトサービス(BBSS)が提携し、BBSSが日本語サイト「sugarsync.jp」を通じて日本語版を提供する。BBSSのソフト販売ノウハウなどを生かし、今後SugarSyncのパッケージ化や企業への導入も進めていく。

日本語のAndroidアプリも

画像 SugarSyncと競合サービスの比較

 専用サイトやクライアントソフトからデータをクラウドに保管し、PC・スマートフォンなどさまざまな端末で同期できるサービス。容量は5Gバイトまで無料。30G〜500Gバイトまで利用できる5段階の有料プランもある。

 同様のサービスにDropboxがあるが、Dropboxは特定のフォルダに入れたデータのみを同期するのに対し、SugarSyncは同期するフォルダを自由に設定できるのが特徴。無料で利用できる初期容量も、Dropboxの2Gバイトより多い。

画像 SugarSyncのローラ・イーシーズCEO

 2008年3月に米国で開始し、「sugarsync.com」を通じ、日本語版を含む5カ国語で展開。BBSSは別途「sugarsync.jp」を立ち上げ、SugarSyncの使い方を日本語で紹介したり、メールでのサポートサービスを提供してきた。14日からは「sugarsync.jp」が日本語版の正式サイトとなり、直接SugarSyncへの会員登録やソフトのダウンロードが可能になる。

 日本円による課金にも対応。有料プランのうち、最も安い30Gバイトのプランは月額525円・年額5250円、最も高い500Gバイトのプランは月額4200円・年額4万2000円となる。有料会員向けに日本語による電話サポートを新たにスタート。日本語のAndroidアプリも公開する。

 本格展開を記念した割引キャンペーンを実施。来年3月末までに有料プランに申し込むと、12カ月/初年度の料金を20%割り引く。

SugarSyncは「日本ユーザーが特に増えている」

画像 BBSSの瀧進太郎取締役

 SugarSyncのユーザー数は非公開だが、全体の35%を米国外、15%を日本ユーザーが占める。ユーザーの伸び率は、日本が全体平均の2倍。「日本はパーソナルクラウドへの関心が高く、ユーザーが特に増えている」と、SugarSyncのローラ・イーシーズCEOは期待を寄せる。

 Netscapeのブラウザ事業でトップを務め、米Yahoo!でYahoo!Mailに携わった経験を持つイーシーズCEO。写真や動画などユーザーが扱うデータ量が増えていることやタブレット端末など多様なデバイスの普及が進んでいることから、SugarSyncのような「パーソナルクラウド」サービスが「必要な時期に来ている」と語る。

 BBSSは、ストリーミング方式によるPCソフト提供などを手がける。SugarSyncの同期機能の柔軟さや、すでにiPhoneなど多様な端末に対応している点、周辺サービスを作るためのAPIを公開している点を評価し、提携を決めたという。同社の瀧進太郎取締役は「ソフトバンクグループは、世界から良いものを持ってきて、日本に合わせた形で提供するのが得意」と話す。

画像 BBSSの溝口泰雄社長

 今後は、BBSSのソフト販売ノウハウやソフトバンクグループのシナジーを生かし、SugarSyncのパッケージ化や、企業への導入を進めていく。SugarSyncのAPIを活用し、周辺サービスも開発。ハードウェアメーカーと連携し、ハードにSugarSyncをプリインストールして提供する――といったことも検討している。BBSSの溝口泰雄社長は「BBSSによるサポートやマーケティングとSugarSyncの技術力と合わせ、日本のユーザーに使ってもらいたい」と話している。

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