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2000万コマ/秒の超高速動画を撮影できるCMOSセンサー、東北大と島津製作所が開発

» 2011年04月06日 12時05分 公開
[ITmedia]
photo エアガンから発射した6ミリの弾がガラスを破壊する瞬間を、試作品のセンサーを使って2000万コマ/秒でとらえた=ニュースリリースより

 東北大学大学院の須川成利教授と島津製作所は、最高2000万コマ/秒の超高速動画を撮影できるCMOSセンサーを共同開発した。100万分の1秒以下の短時間で起きている物質の変形など、超高速の現象を解明するのに役立ち、新しい材料や加工技術の開発につながるとしている。

 イメージセンサーの撮影速度は、入射光で生じた電荷を画素で集める速さと、画素から信号を送り出す伝送線の本数と速さで決まる。通常のセンサーはメモリーが外部にあるため、伝送線の本数がセンサーの出力端子の数に制限され、撮影速度のネックになる。

 開発したセンサーはメモリを内蔵とすることで出力端子数の制約を受けないようにした。同様のCCDセンサーもあったが、CCDは発熱が大きいため高速化が難しかったため、消費電力が少ないCMOSを採用。画素内部の最適化により、電荷を集める時間も大幅に短縮した。

 今後、超高速撮影装置の実用化を進める。超高速現象の解明が進めば、軽量で耐衝撃性の高い自動車・航空機素材や、インクジェット印刷による電子回路製作技術など、さまざまな開発が促進されるとしている。

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