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» 2011年08月17日 13時50分 公開

「自分が使いたいものを、ピュアな気持ちで」 家計簿アプリ「Zaim」を開発した閑歳さん(2/2 ページ)

[榊原有希,ITmedia]
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 しかし、なぜ会社ではなく、個人で立ち上げたのか。アプリは無料、広告も入れていない。「潔癖過ぎるのかもしれませんが、会社で始めるとなると収益を上げなくてはいけなくなる。今、若い世代が気軽に起業する流れになってきて、とても良いことだと思いますが、自分が本当に使いたいものを、一度ピュアな気持ちで作ってみたかった。収益化で悩む前に、まずはユーザーにちゃんと使ってもらえることを考えたい」

 愛用のMacBook Proを駆使して、通勤電車内や週末に自宅でコードを書いた。4月にはデモを作り上げ、最新の優れたWebサービスを表彰するイベント「TECLOSION 2011 Spring」で優秀賞とKDDI賞をW受賞。リリース前から評判となっていたが、手応えはユーザーからのフィードバックで感じているという。

 「こんな機能が欲しいとか、要望がとても多いのですが、それだけ真剣に使ってくださっている証拠でうれしい。今まで気づかなかったことを教えてもらっています」と、どこまでも、ユーザーに近い。海外のネットメディアでも紹介され、米国や台湾などでDLされている。「海外のユーザーからは、『便利だね。使い続けるよ』と感想のメッセージが送られてきて、楽しいですね」

photo 現在、実装中の写真投稿機能

 今月から、PCソフト「OCN家計簿」と連動、外出先からiPhoneを使ってZaimで現金の収支が入力できるようになった。「TwitterやFacebookはAPIを公開してサードパーティーの会社と連携している。Zaimも他社との連携を進めて、プラットフォームになれれば」と期待する。ユーザーからのリクエストで多かった写真投稿機能も実装中。間もなく、食べたものや買ったものを写真付きで記録できるようになる。よりソーシャルなアプリとして機能を強化するため、またプログラミングにいそしむ日々が続く。

 そんな閑歳さんによると、意外にも「プログラミングは編み物に似ているので、女性に向いている」のだという。「全体をイメージしながら、ちまちま作業していくと、大きなものが完成する。実は女の人に向いているとずっと思っていました」。ところが、実際に女性エンジニアは数少ない。「先日、友人から、プロの編み物作家は男性ばかりだと指摘を受けてしまいました。女の人は身近な人を喜ばせたいのに対し、男の人は自分の作ったものを大勢の知らない人たちに広めたいようです」と笑う。

 「女性エンジニア」「ギークガール」という肩書きでメディアに登場することも多いが、仕事に対するストイックさは、誰よりも男前。「私も自分の作ったサービスはかわいいし、広めたい。男女限らず、もっとサービスを作る人が増えてくれればいいなと思っています」

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