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“炎上”するTwitter2011ネットの風景

» 2011年12月19日 17時41分 公開
[ITmedia]
photo ビビる大木さんのツイート

 「普通に見たつもりです。どういうつもりですか?客に対して実名を出して悪口を言うとは」。お笑いタレントのビビる大木さんが12月17日夜、Twitterにこんなツイートを投稿した。

 「閉店2分前にビビる大木が来やがってちんたら見た挙句、なんも買わず帰り無駄な残業だった。芸能人振りやがってマジ腹立たしい」──あるアパレルブランドの店員によるツイートにビビる大木さんが憤慨したのだった。店員はすぐにTwitterアカウントを停止。「商品に罪や恨みはありません。ただただ悲しいです」とツイートした。

 このブランドは19日になって「弊社アルバイトスタッフが、ご来店された一部のお客様をインターネット上で誹謗する内容を発言していたことが判明しました」と謝罪した

 Twitterが広く普及する一方、ツイートが発端になった“炎上”も多発した1年だった。

 1月にはウェスティンホテル東京(恵比寿)内の飲食店に芸能人が来店したことを大学生のアルバイト店員が投稿。「今夜は2人で泊まるらしいよ」などとプライバシーに関わる内容だったため、同ホテルは謝罪に追い込まれた。5月には都内のアディダス店舗にサッカー選手が訪れたことを中傷的な内容でツイートした社員が“炎上”。アディダスは謝罪した。スタッフの失言で企業が対応に追われる一方で、問題となったツイートをした本人は個人情報がネットでさらされた。

 サッカーの女子ワールドカップで優勝した日本代表チームの熊谷紗希選手は7月、私的な席での発言などが同席した学生によってツイートされ、監督批判と受け取られる内容もあったことから問題に。熊谷選手本人がツイートしたわけではないが、「軽はずみな行動が今回のことを招いてしまった」と謝罪した。

photo 高校教師は生徒の答案をネットに投稿

 11月に女性への暴行を大企業社員の“実名”で予告したアカウントは、なりすましによる嫌がらせではないかと指摘され、その後削除された。関西地方の20代の高校教師は、生徒の試験答案の解答をTwitterで公開し、学校が調査に乗り出すなど問題になった。

 製薬会社のMR(医薬情報担当者)は同僚が向精神薬を不正入手して飲み会で使ったなどと投稿し、会社は関係者の処分する方針を明らかにした。

 「定期忘れて切符買うのだるいから改札突破して帰宅」「さっき学校の自販機に飲み物入れてるトラックの荷台だから飲み物チャペったから飲み物代浮いた」──今年オープンした「ツイッ拓」には、Twitterでの問題発言が次々と、ユーザーによって追加されている。

photo ツイッ拓

 11月、学生が他人を携帯電話で撮影し、中傷的なコメントを付けてネット上に公開しているケースが相次いで見つかり、問題になった。地下鉄車内で男性を撮影し、「100億%のヅラ発見」と投稿した男子大学生はFacebookの個人情報がさらされるなど“炎上”した。

 最近になって、この学生が所属する大学の学部は「短文投稿サイトに他者の名誉を傷つける内容を投稿した」として学生1人を停学処分にしたことを発表した。ブログに他人の写真を「ちょおキモいのいた」と投稿した女性が通う女子短大は、その後学生1人を無期停学処分にしたことを明らかにした。

photo 男子学生が投稿した写真

 ツイートで“炎上”したのは大学生や20代が多い。友人同士で気軽に“共有”する感覚でツイートや写真を投稿していたようだ。

 ただ、学生らのアカウントはフォロー数も少ない。大勢の目に触れたわけではない失言・告白がなぜ“炎上”に至ったのか。最初にさらしたのは誰なのかは分からない。「ツイッ拓」にはきょうもツイートが追加されている。

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