Mozillaと米Googleが更新した検索契約で、Googleは年額約3億ドル、3年で約9億ドルをMozillaに支払うと、米Dow JonesのメディアブログAllThingsDが12月22日(現地時間)に報じた。
Mozillaは21日、WebブラウザFirefoxのデフォルト検索エンジンとしてGoogle検索を採用する複数年契約をGoogleと締結したと発表した。両社はこれまでも同様の契約を結んでおり、この契約によるGoogleからの支払いが、Mozillaにとっての主な収入源となっている。
AllThingsDは、3億ドルという金額は前回の契約より非常に高いものになっており、Googleは米MicrosoftのBingにデフォルト検索エンジンの座を奪われないようにするために金額を上げたと指摘する。MozillaはGoogleのほか、米Microsoft、米Yahoo!、ロシアのYandex、米Amazon.comなどとも契約しており、ユーザーはこれらのエンジンからメインの検索ツールを選択できるようになっている。MozillaとMicrosoftは10月に、Bingをデフォルト検索エンジンとするWebブラウザ「Firefox with Bing」を公開している。
また、IT系個人ブログparislemonのMG シーグラー氏は23日、Googleの意図は独禁法回避にあるという説を披露。Googleが将来AndroidのWebブラウザをChromeにした場合、ChromeがMicrosoftのInternet Explorer(IE)と同じ状況になるからだと説明している。シーグラー氏は「Googleが善意で10億ドル支払うわけではないことは確かだ」と語り、“ライバル”にこれだけの大金を支払うにはそれなりの理由があるはずだとしている。GoogleはFirefoxと競合するWebブラウザ「Google Chrome」を提供しており、11月の世界Webブラウザ市場でChromeがFirefoxを抜いてIEに次ぐ2位になっている。
こうした意見に対し、GoogleのChromeチームで上級ソフトウェアエンジニアを務めるピーター・カスティング氏が24日、自身のGoogle+で反論。Chromeの目標はWeb高速化であり、市場シェア獲得ではない。GoogleとMozillaは“ライバル”ではなく、同じ目標に向かうパートナーであり、パートナーをサポートするのは当然だと主張する。Chromeはすべての人に合うブラウザというわけではなく、Chromeと異なるコンセプトのFirefoxが存在することはWebにとって重要だとし、GoogleとMozillaはWebを素晴らしいものにするために協力しているという。
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