ITmedia NEWS > ネットの話題 >
ニュース
» 2012年01月13日 15時49分 公開

2ch「ステマ」戦争 人気板が住民大移動で一気に縮小、その背景の事情と心情 (4/4)

[久我山徹,ITmedia]
前のページへ 1|2|3|4       

大移動

 ニュー速では議論スレなどで転載禁止を求める声が圧倒的多数だった。このため、ニュー速を転載禁止とし、これを明記するようニュー速民が申し立てたところ、運営側は07年のひろゆき氏の「裁定」を根拠としてこれを却下した。

 これに憤ったニュー速では「『転載がいやなら嫌儲にいけ』というのであれば、移住しようではないか」との意見が大勢となり、1月9日午前0時を期して「ニュース速報(嫌儲)」の大移動が決まった。

photo 移転初日・9日の投稿数。嫌儲を示す「poverty」が投稿数で2位に浮上した

 移住初日。ふたを開けてみると、9日の投稿数合計は嫌儲板が約19万だったのに対し、ニュー速は約12万と、嫌儲板が圧倒。「すぐ飽きるのでは」という声もあったが、その後も嫌儲板はVIPに次ぐ2位という、かつてのニュー速の定位置を獲得した。その一方、本家ニュー速は「ハロプロ」板の下に沈み、移住4日目の12日は嫌儲板がニュー速を10万以上上回るなど、定着の兆しを見せている。

 現在、本家ニュー速は「ステマ」「アフィリエイト」の連呼や板の“移転”告知でスレッドが埋まり、コミュニティーとしての機能は事実上失われている。普通のレスも投稿されるものの、「アフィリエイトブロガーによる自作自演」を疑われる始末で、今後本家ニュー速が復活するかどうかは不透明だ。

 一方、ニュー速から住民が移った嫌儲。投稿数は以前のニュー速並みに増えた上、以前のように対立をあおるような、政治的にナイーブなスレタイやレスが減っており、全体的に平和感が漂う。「ニュー速は本来こういう雰囲気だった」という声や、「あおるスレタイやレスはアフィリエイトブログがスレを盛り上げるための工作だったのではないか」といった憶測も飛び交う。

photo VIPも一時は騒動に

 ニュー速と同様にアフィリエイトブログにスレをまとめられることが多い「VIP」板でも10日、「天国」板に移住する動きがあったが、投稿数で見る限り、引っ越しはそれほど進んでいない。「現在のVIPにはアフィリエイトブログから入ってきた住民も多く、騒動自体に関心がないのでは」という声がある。

 大きなネタ元だったニュー速を失った大手アフィリエイトブログの中には、過去ログをまとめてしのいでいるところもある。果敢にも嫌儲のスレをまとめる中小サイトも出てきているが、住民は徹底抗戦の構え。「痛いニュース」などの大手サイトをアフィリエイトを除去してそのままコピーしたサイトも現れている。

敬意

 2次創作が主流となっている同人誌の世界では、原作に対して全く敬意のない、金儲けに走っていることが見え見えの同人誌は嫌われる(それでもそれなりに売れる、という現実もある)。

 騒動の間、大手アフィリエイトブログの運営者が、騒動について「つまらない」「もうニュー速は終わった」などと冷ややかに評したとされるコメントがコピペとしてニュー速に出回った。ニュー速という国内ネット界では古参のコミュニティーに対し、大手アフィリエイトブログ運営者からの敬意がうかがえなかったことが、火に油を注いだ面もある。

 2chスレッドの過去ログを編集せずに保存・掲載しているサイトについては「編集されてないし、俺たちも便利だから」という理由でやり玉には挙がっていない。「ステマ」や大手アフィリエイトブログが、ニュー速というコミュニティーに対してメリットを提供していないと認識されていたことが、問題がこじれにこじれた背景にはある。

 ひろゆき氏はこの件に関して発言していないが、10日になってTwitterで「なんだかなぁ、最近は『ありがとう』や『ごめんなさい』を云わないのがカッコいいとでも思っているんじゃないかってくらい、云わない人が増えている気がする。たったそれだけで円滑にいく人間関係もあるのに、何故云い惜しみするんだろう?」という、ある占い師のツイートをRTしている。

前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.