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パートナーの豊かな業界知識が顧客企業に競争力をもたらすIBM PartnerWorld Leadership Conference 2012 Report(1/2 ページ)

» 2012年02月29日 14時45分 公開
[浅井英二,ITmedia]
パートナー事業担当のヘネシーGM

 ジャズの街として知られるニューオリンズは昨晩からの深い霧に覆われたままだ。ダウンタウンのそれほど高くはないオフィスビルやホテルでさえ上の方が隠れて見えない。肌寒い霧雨で南部有数の観光地も台無しだが、Hyatt Regencyホテルは早朝からごった返している。

 米国時間の2月28日、IBMの年次パートナーカンファレンス「IBM PartnerWorld Leadership Conference 2012」がルイジアナ州ニューオリンズで開幕し、ジェネラルセッションの会場となったHyatt Regencyのボールルームには、世界60カ国以上から1000社を超えるビジネスパートナーが集まった。IBMの先端技術を学び、その戦略的な構想を共有する場として1990年代半ばから始まったこのPartnerWorldカンファレンスは、同社の幹部がずらりと顔をそろえることでも知られている。今年は就任から間もないジニー・ロメッティCEOが2日目に登壇することからさらに注目度が高まっている。

 「IBMの成長にビジネスパートナーは不可欠」と話すのは、パートナー事業を統括するマーク・ヘネシーGMだ。この1月に就任したばかりの彼だが、セールスやマーケティングでキャリアを重ねたほか、最近ではCIOも務めた。

 彼の言葉どおり、IBMのパートナー事業は、顧客のニーズに精通したビジネスパートナー各社から業界ごとに優れたソリューションを提供できるという点で、同社にとってますます重要なものとなっている。昨年はパートナー事業の売り上げが16%増え、特にビジネスアナリティクス分野とクラウドの成長が著しい。ビジネスアナリティクス製品の認定パートナーが世界で2万7000社に上り、パートナーが関与するクラウドの売り上げは3倍に跳ね上がった。ビッグデータの活用を含む「ビジネスアナリティクス」と「クラウド」── 顧客の規模にかかわらず、ホットトピックは変わらない。

 また、大規模なプロジェクトを想像しがちなSmarter Planetでも、合計6000に上る案件のうち約半数はパートナーが関与しているという。Smarter Planet案件の多くは業界の経験や知識を必要とするからだ。

マーケティング担当のイワタ上級副社長

 Smarter PlanetはIBMがコンピューティングの将来を睨み、2008年秋にぶち上げた構想だ。IBMでマーケティングを統括するジョン・イワタ上級副社長はオープニングのジェネラルセッションに登場し、「人々や機器が日々生み出していく巨大なデータ、いわゆるビッグデータを統合して分析し、迅速で適切なアクションにつなげていくことで社会はより良いものになり、企業は競争優位を得ることができる」と話す。

 IBMによれば、Smarter Planet案件の65%はIT部門以外のリーダーによって推進されており、新しいITの潮流をつくることに成功した。コンピューティングがバックオフィス業務の効率化にとどまらず、ビジネスの第一線にその適用が拡大してきたことを反映している。自ずとSmarter Planetのもたらす効果は、新しいビジネス機会をもたらしたり、組織や企業の文化を変えるといった当初は意図しなかったところまで及ぶ。

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