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» 2012年03月02日 18時47分 UPDATE

韓流ボカロ「SeeU」が生まれた理由を担当者に聞いてきた (2/3)

[松尾公也,ITmedia]

なぜ日本語DBも作ったのか

 SeeUは韓国語、日本語の2つの歌声データベースを持つ。VOCALOID 2の巡音ルカが日本語と英語という、異なる言語のデータベースを持つように。

 韓国市場だけを見ているのなら、日本語データベースを出す必要はない。最初から日本市場がターゲットなのでは、そんな疑問もぶつけてみた。マーケティング的な意味合いはある、と認めた上で、ジェジュンさんは説明する。「VOCALOIDはもともと日本語で生まれ育ってきたもの。韓国内では、日本語VOCALOIDの文化に親しみ、関心を持っているファンが多い。だから日本語VOCALOIDを使いたいというニーズもある」

 日本向けは日本語、韓国向けは韓国語、というのではなく、「両方を使えればハッピーでしょう」とジェジュンさんは笑う。韓国でVOCALOIDやアニメの影響で日本語を勉強しようという気運が高まっているのと同様に、日本では、K-POPの人気がのおかげで韓国語への言語的な関心が高くなるのではないか、とジェジュンさん。「1つの歌の中に2カ国語が使われるようになるといいですね」

 さらに、ヒョウンさんの下で英語DBも準備中。時期は未定だが、完成すれば日・韓・英の3言語対応VOCALOIDとなり、英語圏だけでなく、使いたいという日本のユーザーも拡大するはずだ。クリプトン・フューチャー・メディアからは既に日英DBに対応した巡音ルカが出ており、初音ミクをはじめ複数のVOCALOIDで英語DB開発していることを明言している。SeeU英語版はVOCALOID国際化の流れをさらに加速してくれそうだ。

韓国でボカロコミュニティーをどう育てていくのか

 もともとDTMユーザーが多く、イラストに関しても、動画についてもそれぞれ専用のコミュニティーがあった日本はある意味特殊。そのような背景のない国にいきなりVOCALOIDを投入したとしても、ユーザーがついてくるのか? 作品は投稿されるのか?

photo crecrew.net

 実はコミュニティーについては、、crecrew.netというサイトがβではあるが公開され、稼働している。ニコニコ動画とピアプロを合わせたようなサイトだ。スタートして1カ月でユーザー数は1万人以上で、現在では2万人を超える勢い。

 「既存のVOCALOIDファン」「これから初めてボカロに接し、聞いてみようという人たち」「クリエイター」の3つの異なる層にアプローチしていく、とジェジュンさん。

 DTMについては、韓国でも関心を持ち、使っている人は多いが、その多くはやはりK-POP中心で、日本のDTMがゲーム音楽、アニメ、VOCALOIDなどバラエティに富んでおり、層が厚いのとは異なる印象だという。BHE所属の作曲家もVOCALOIDの勉強を進めているが、まだVOCALOIDプロデューサーの数が足りない。作曲者を支える企画者が不足しているという。crecrew.netをはじめ、どのように韓国内でクリエイターを育てていくかが成長の鍵となりそうだ。

キャラクターの展開について

photo KKUEMさんによるSeeUのイラスト

 SeeUのキャラクラターはKKUEM(クーエム)さんによるデザイン。KKUEMさんはゲームキャラクターのデザインを担当しており、「2Dのイメージを立体的に書くことができるすばらしい人」という評価だ。獣耳の部分はスピーカーとなっているそうだが、完全に設定が決まっているわけではない。たとえばこの耳は猫耳なのか、狐耳なのかは二次創作者の想像力にゆだねられている。二次創作のイラストには九尾の狐もあるそうなので、キツネの解釈もあるようだ。

 昨年末にニコファーレで行われたARコンサートには参加しようと思っていたが間に合わなかった。「機会があればぜったいに参加する。ホログラムコンサートをしたい」と意欲的だ。3D化については雑誌「Windows 100%」02号の連載「MMD講座」で、モデリングはまままさんによるSV01 SeeUの3Dモデルが登場。付録DVDにデータが収録されている。ARライブの野望に一歩近づいたことになる。キム・ダヒさんが所属するGLAMは今春デビューを予定している。SeeUの3Dモデルとダヒさん、GLAMのメンバーがいっしょにライブをすることも、これで可能になるわけだ。

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