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ラーメン二郎で仕事にリズムを VOYAGE GROUP・江頭令子さん企業広報の「隠れ家でちょっと一息」(2/3 ページ)

» 2012年06月15日 11時00分 公開
[聞き手:編集部,ITmedia]

常に発散

――日ごろはどのようなワークスタイルなのでしょうか。

 毎朝4時50分に起床して、6時30分に家を出ます。出社前にコンビニエンスストアに立ち寄り、豆乳、野菜ジュースなどのドリンクやお菓子を買って、7時30分には着席します。そこから定時までの2時間、当社のメディア掲載記事をクリッピングして社内ポータルサイトにアップしたり、社内外の業務メールの処理やニュースチェックをしたりしています。こうした作業をまだ誰も出社していない時間帯に行う理由の1つは、例えば、営業担当者が出社してすぐに自社の関連情報に目を通すことができれば、朝一の顧客対応などにも正確に行うことが可能になるからです。

 ランチタイムは大切にしていて、基本的に社外で昼食をとります。近隣で働く他社の友人や広報仲間などとご飯を食べながら他愛もない話をしたり、記者の方々とランチミーティングをしたりします。

 仕事はほとんど自宅に持ち帰ることはなく、会社できちっと終わらせるようにしています。特に何もなければ19時には会社を出て、友人や他社の広報仲間、記者の方々と食事をしたりして過ごしますね。

 また、先ほどお話ししたように「毎週水曜日は二郎の日」と決めています。この日は二郎でラーメンを食べて、カフェやバーで軽くお酒を飲んで帰ることを定着させています。週の前半の疲れを癒し、後半の活力にするという、私なりの大切なリフレッシュ法です。

 二郎に初めて訪れたのは1年半前で、最初に食べたときは「もう二度と来ないだろう」と思ったのですが、なぜかすぐに恋しくなってしまい、気が付けばどっぷりとはまってしまいました(笑)。ちなみに、私の好きなオーダーは「カタメ 野菜マシマシ ニンニク」です。

――そのほかにリフレッシュ方法はありますか。

 改めて気分をリフレッシュするというよりは、普段からいろいろと溜め込まず、常に発散して生活しているので、取り立ててこれだというものはないですね。できる限り、過ぎたことは引きずらないようにもしています。

新人時代の悔し涙が実を結ぶ

――入社から現在までのキャリアを教えてください。

 入社前年の2006年7月から内定者インターンシップで週に3日ほど出社していました。インターンシップでは新聞記事のファイリングなど基本的な広報業務のサポートを行っていました。当時は広報担当者がいたのですが、私が入社するタイミングで休職してしまい、いきなり独り立ちしなくてはなりませんでした。右も左も分からない新入社員ですので、とにかく広報に関する書籍を読みあさったり、他社の先輩広報に基礎的なことから教えてもらったりしながら、必死に毎日の業務にあたりました。仕事ができない不甲斐なさに、悔しくて泣きながらタクシーで帰宅したこともよくありました。

 そうした中で心掛けたのは、「スピード」と「誠実な対応」です。記者から問い合わせや取材依頼のメールなどがあったら迅速に返事をし、どんな些細なことでも誠実に対応する。たとえ広報のノウハウや業界知識がなくても、これだけは誰にでもできることです。とにかく当たり前のことを当たり前に行おうと決めました。

 このような日々を送っているうちに、次第と広報業務に対するノウハウが身に付き、うまく立ち振る舞えるようになってきました。また、新人時代に心掛けた行動は今でも継続しており、それが仕事を円滑に進める上で大いに生かされています。

 企業広報という仕事はアップダウンが激しく、成果が見えにくいものです。今の私の仕事がどれだけ会社に貢献できているかどうか明確には分かりません。ただ、誰よりも朝早く出社して、ニュース記事などの情報をまとめて社員に提供したり、事業部の取り組みや成果を社内で共有したりと、地道な作業を繰り返すことが大切だと思っており、結果としてこれが社員の人たちからの信頼を得ることにつながっているなと実感しています。

仕事は生きがい

――江頭さんはどんな人に対しても平等に接するという印象を持ちます。

 実は、以前は他人に対してカベを作りがちでした。社会人として働くようになってから、人に興味を持つようになったのです。その最大の要因は、仕事が「生きがい」になったことでしょう。これにより、肩肘張らずに常に素の自分でいられるようになりました。

 今までは自分の生きがいが何であるかが分からず、生きがいを持っている人に対してコンプレックスを持っていました。私の姉は小さいころから音楽に打ち込んでいて、今もなお音楽活動をしているほど音楽を生きがいとしているのですが、以前の私にはそれが本当にうらやましく、自分の生きがいを見つけたくて、ピアノやバイオリン、声楽、料理、絵画、フラメンコなどさまざまな習い事をしてきたのですが、なかなか「これだ!」というものが見つかりませんでした。

 自分の生きがいとして仕事に全力を注ぎ込めるようになった今、以前は「仕事が生きがいだ」というビジネスマンを冷めた目で見てしまっていたこともあるのですが、仕事に熱中する人たちに共感が持てるようになりましたし、姉のことも心から応援できるようになりました。

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