欧州連合(EU)の立法議会である欧州議会は7月4日(現地時間)、知的財産権の保護に関する国際条約「Anti-Counterfeiting Trade Agreement(ACTA:模倣品・海賊版拡散防止条約)」を否決した。EUが承認した条約を欧州議会が否決するのはこれが初めてという。
ACTAは、2010年に起草された、模倣品の販売やインターネットでの著作権侵害を取り締まるための国際条約。2011年10月に日本、米国、オーストラリア、カナダ、韓国、シンガポール、ニュージーランド、モロッコの8カ国が署名し(リンク先は当時の発表文のPDF)、2012年1月にEUも承認し、批准の手続きが進められている。
ACTAをめぐっては、その条文が不明確で誤った解釈によってインターネットの自由を侵害することにつながる恐れがあるとして世界中で反対運動が展開されている。欧州ではACTAに反対する街頭デモや議会メンバーへのメールによる嘆願が行われた他、欧州議会に280万人が署名した批准否決の請願書が提出されていた。欧州議会では、賛成39票、反対478票、棄権165票で、ACTAを批准しないことが決定した。
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