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Thunderbirdの開発、事実上終了へ ソフトの提供・修正は継続

» 2012年07月09日 07時09分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]
 thunderbird

 Mozilla Foundationは、オープンソースのメールクライアントThunderbirdの開発を事実上終了する。Webベースのコミュニケーションが普及し、デスクトップメールクライアントユーザーは基本的な機能で満足していることが背景にあるという。ミッチェル・ベイカー会長が7月6日(現地時間)、自身のブログで今後の計画を説明した。

 Thunderbirdの開発チームを含むMozillaの首脳陣は、Thunderbirdに新機能を追加することはもはやMozillaにとっての最優先事項ではないという結論に達したとベイカー会長は説明する。だが、Thunderbirdのユーザー(ベイカー会長もその1人)は現在2000万人以上おり、マルチプラットフォームに対応するオープンソースのメールクライアントは他にほとんどないことから、提供は継続するという。

 MozillaがMozillaWikiで提案している計画では、Thunderbirdチームは安定性を維持させるための更新(セキュリティアップデートやバグ修正)のみを提供し、新機能開発はコミュニティーに委ねるという。コミュニティーが新機能を開発した場合、Thunderbirdには反映されるが、法人向け延長サポート版(ESR: Extended Support Release)には反映されない。今後、ESRのアップデートは安定性の維持のためのもののみになる。ESRの次回のアップデートは予定通り2012年11月20日に実施される。

 Mozillaはこの計画についてコミュニティーからのコメントを募っており、9月に結論を出すとしている。

 Thunderbirdの最初の正式版がリリースされたのは2004年12月。Mozillaは、2008年にはThunderbirdに向けられている熱意やコミュニティーの注目がFirefoxと比べると小さいとして開発をMozilla Messagingという組織にスピンアウトし、さらに2011年4月には開発チームをMozilla Labsに統合している。最新版は6月15日にリリースされたバージョン13.0.1だ。

変更履歴:タイトルを「Thunderbirdの開発、事実上終了へ」から「Thunderbirdの開発、事実上終了へ ソフトの提供・修正は継続」に修正しました。また、本文中、ESRの提供についての記述が不正確でしたので修正しました。[2012/7/9 21:50]

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