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「Firefox 16」の正式版リリース Android版には広告非表示の「リーダーモード」

» 2012年10月10日 07時34分 公開
[鈴木聖子, 佐藤由紀子,ITmedia]

 Mozilla Foundationは10月9日(現地時間)、Webブラウザの最新版となる「Firefox 16」をWindows、Mac、Linux、Android向けにリリースした。

デスクトップ版の主な新機能

 デスクトップ版では、「インクリメンタルガーベジコレクション」の導入により、マウスクリックやキーの押下に対する反応が速くなったという。アニメーションやゲームの描画も滑らかになるとしている。

 また、Webアプリサポートの初期実装が導入された。Mozillaの定義するWebアプリとは、標準Web技術で構築されている、ユーザーがインストールしてWebブラウザで利用するアプリで、Mozillaは例として米GoogleのGmailを挙げている。Mozillaは「Open Web Apps」プロジェクトで既存のWebサイトをWebアプリに変換する支援をしている。WebパブリッシャーによるWebアプリ開発が進めば、ユーザーもそのメリットを享受できるようになるだろう。

 Mac版では、音声読み上げ機能の「VoiceOver」がデフォルトで有効になった。Macの設定でVoiceOverを有効にしておけば、自動的にFirefoxでも音声読み上げが有効になる。

 開発者向けの新機能やバグ修正については、リリースノート(日本語)を参照されたい。

アドオンに関するバグはバージョン17でフィックス予定

 正式版リリース直後に一部のアドオンがうまく動作しないという報告があったが、Mozillaは、この問題の影響を受けるのは少数のアドオンと判断し、次期バージョンで対応すると公式ブログで発表した。

 この問題は、ウィンドウを読み込むイベントハンドラーが一定の状況(ポップアップウィンドウが開いており、そのウィンドウのドメインが既に開いているウィンドウと異なる状況)でうまく動作しないことが原因という。

セキュリティ関連の更新

 Mozillaのセキュリティ情報によると、Firefox 16では計14項目の脆弱性に対処した。このうち11項目が、Mozillaの4段階評価で重要度「最高」に区分けされている。解放後使用やメモリ破損、バッファオーバーフローなどの深刻な問題が多数あり、攻撃者に悪用された場合、任意のコードを実行されたり、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を仕掛けられたりする恐れがある。

 残る重要度「高」の3項目では、スプーフィングやXSS攻撃などに利用される恐れのある脆弱性が修正された。

 また、法人向け延長サポート版の更新版となる「Firefox ESR 10.0.8」も同時にリリースされ、同じ脆弱性に対処している。

Android版に「リーダーモード」追加

 Webページの広告や画像を非表示にし、スマートフォンの狭い画面でコンテンツを読みやすくする「リーダーモード」が追加された。URLの隣に表示される本のアイコンをタップすると、表示しているページがリーダーモードになる。米Evernoteの「Clearly」のような機能だ。

 また、同期機能「Firefox Sync」に、表示しているタブを他のPCや端末に送信する「共有」メニューが追加された。

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