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「LINE」対抗、カカオトークは「グループ」で勝負 外部アプリと連携、API公開へ(1/2 ページ)

» 2012年12月11日 16時53分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ヤフーと韓国KAKAO Corporationの合弁企業・カカオジャパンは12月11日、スマートフォン向けメッセージ&無料通話アプリ「カカオトーク」(Kakao Talk)のテレビCMを、13日から放送すると発表した。独自機能「5人同時通話」などLINEにはない機能をアピール。年内には、チャットしながら「漫画カメラ」など外部アプリを利用できる「トークPlus」も実装し、国内市場を席巻する「LINE」に対抗する。

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 カカオトークは2010年3月に韓国KAKAO Corporationが公開し、現在、世界7000万人(うちアクティブユーザーは2750万人)が利用している無料通話&メッセージアプリ。1日当たりのメッセージ件数は最大で42億件にのぼり、韓国ではスマートフォンユーザーのほとんどが使うインフラになっているという。

 日本国内では昨年8月、KAKAO Corporationが100%子会社のカカオジャパンを設立し、日本語版を運営してきた。カカオジャパンは今年10月、ヤフーに資本を受け入れて合弁会社化。5人同時通話機能を日本で先行リリースしたり、ゲームサービス「カカオゲーム」を公開するなど、「爆速」で機能拡張を進めているが、現在までの国内ダウンロード数は750万と、LINE(登録ユーザー3700万、ダウンロード数非公開)には遠く及ばない。

画像 テレビCMには土屋アンナさん、劇団ひとりなどが出演し、5人同時通話をアピール

 テレビCMでは、LINEなどライバルサービスにはない独自機能「5人同時通話」をアピール。タレントの土屋アンナさんや劇団ひとりさんなど5人が同時に音声通話してみせる。無料でダウンロードし放題の「動くスタンプ」を紹介するCMも放送。動くスタンプもLINEにはない機能だ。

「漫画カメラ」など外部アプリと連携「トークPlus」 API公開へ

 新機能として年内に、チャット中に外部アプリを利用できる「トークPlus」を開始予定。まずは、「Yahoo!ロコ」の路線検索と地図検索、ファイルストレージ「Yahoo!ボックス」をチャット中に使えるようにし、チャット相手に地図や乗り換え案内を見せて目的地まで案内するといったことが可能になる。


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 その後、「Yahoo!オークション」や「Yahoo!ショッピング」など、ヤフーが運営するショッピングサービスとも連携していくほか、カメラアプリ「漫画カメラ」「DECOPIC」、顔文字アプリ「顔文字くん」、時間割アプリ「時間割PLUS」など、外部のパートナー企業が運営するサービスも、チャットをしながら利用できるようにする。トークPlusはAPIも公開し、サードパーティのアプリが広く連携できるようにしていく計画。ちなみにトークPlusの仕組みは「特許を押さえている世界初のもの」という。

 企業やタレントなどの公式アカウントを設置し、情報提供する「Plusカカとも」や、ユーザー同士でゲームで競える「カカオゲーム」のラインアップも充実させていく予定。ゲームのAPIも公開する予定だ。「カカオトークでは、外部から呼び出して“カカとも”(カカオトークの友人関係)を送るAPIなど、早い段階からいろいろなAPIを公開している。トークルームの人間関係を外部アプリで利用できるAPIも、公開準備を進めている」と、カカオジャパンの朴且鎭(パク・チャジン)社長はAPI公開に積極的な同社の姿勢をアピールする。

カカオトーク連携ゲーム、月間30億円売り上げ

 「メールやSMSの置き換えではなく、さまざまなサービスが内包されている」――ヤフーCMO(チーフモバイルオフィサー)で、カカオジャパン取締役の村上臣さんは、カカオトークをこう紹介する。

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