韓国では、「カカオゲーム」や「Plusカカとも」に加え、住所を知らなくてもカカともにプレゼントを贈る「ギフト」、カカオトークのアカウントで写真共有できる「カカオストーリー」、カカともと一緒にオンラインショッピングをする「カカオスタイル」など周辺サービスが充実。ビジネスは「どれも成功している」(村上CMO)という。
例えば、同じキャラクターの絵柄を3つ合わせて消すカカオゲームのパズルゲーム「エニパン」は、サービス開始から2カ月で2000万ユーザーを突破。韓国では“エニパン中毒”が社会問題になるほどで、カカオゲームのゲームアイテム月間売り上げは30億円を超えた。ギフト機能を使って贈られたプレゼントの数は、2010年12月のスタートから2年弱で100倍に。カカオストーリーは、3000万ダウンロードを超えたという。
“カカとも”とオンラインショッピングできる「カカオスタイル」も近く、日本版に投入する計画。朴社長は、グループトークを通じたオンラインショッピングを「グループ消費」と名付ける。「ショッピングもオークションも、みんなのコメントが購買につながる」――カカオトークでチャットしながらショッピングし、友人の意見や感想を参考にしたり、友人に背中を押される形で購入に踏み切るケースも多いのだろう。
韓国国内を押さえ、サービスを黒字化させたKAKAO Corporationにとって、2013年は海外展開を本格化する年。日本では、「スマートフォンファースト」を掲げるヤフーと連携し、「爆速」でサービスを成長させていく。日本のほか、インドネシア、ベトナムなどアジアを中心に、海外展開を加速しているという。
「ヤフーはPCの世界では圧倒的ナンバーワンだが、スマホ領域へのコミュニケーションが弱かった。カカオジャパンは最良のパートナーだ」と村上CMOは言う。大量のトラフィックをさばくヤフーのサーバ・ネットワーク技術や、Yahoo!ID、Yahoo!ポイントなどで連携していくほか、広告やコンテンツ調達、ショッピングモール運営など、BtoBの経験も生きるとみている。
カカオトークは国内で話題になり始めた今年春ごろ、異性と出会えるアプリとして注目を浴びた。「スマホのコミュニケーションは未成熟な状況。出会いを目的にした利用は規約で禁止しており、パトロールも行う。ヤフー掲示板やオークションなど日本有数の運営ノウハウを注入し、安全・安心に近づけていく」と村上CMOは気を引き締める。
国内ではLINEがすでに3000万ユーザーを突破しており、ディー・エヌ・エー(DeNA)も「comm」で攻勢をかけている。村上CMOは「他社は、無料通話、1対1、SMSの置き換えで攻めていると思うが、われわれは、みんなで使うコミュニケーションスタイルからの拡張を考えている」と話し、グループチャットや5人同時通話といった、複数人の同時利用を前面に掲げてアピールしていく方針を示す。
ただ、スマートフォン市場の拡大は始まったばかりだ。「日本のスマートフォン普及率は30%超えたぐらい。まだまだ70%の余地がある。各社の状況を理解した上で、戦略を進めていく」(村上CMO)方針。まずは「手に届きそうな」(朴社長)目標として、来年内に3000万ダウンロードを目指す。
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