日本ペンクラブ(浅田次郎会長)とGoogleは12月17日、Googleが進める「Google Library Project」(Googleブックス図書館プロジェクト)について、同クラブ所属の著者や出版社から要請があった場合、スニペット(作品内容の抜粋表示)を速やかにGoogleが削除することなどを含め、両者で協力関係を構築していくことで合意したと発表した。
同プロジェクトは、Googleが提携した各国の大学図書館や公立図書館の蔵書をデジタル化し、Googleブックスに登録して文章の抜粋を閲覧できるようにする。米国の図書館でデジタル化された書籍には、著作権保護期間内の日本の出版物が含まれていたため、国内の著作権者が懸念を示していた。
合意では、同クラブ所属の著作者か、著作者の作品を出版する出版社から要請があった場合、Googleはスニペットを速やかに削除する。また作家・出版社から除外登録を受けた書籍について、Googleは今後スキャン対象から外す。
合意を受け、同クラブとGoogleは、同プロジェクトに関連して今後法的に争わないことを決めた。合意はこれまでの懸念を解決し、「協力関係を構築する出発点となるもの」としており、両者で現代日本文学の翻訳と普及事業を進めるという。
同プロジェクトをめぐっては、角川グループホールディングスが大手出版社としては初めて、グループが発行する全作品について対象外とするようGoogleと合意している。
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