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ネット活動家のアーロン・シュワルツ氏が自殺 「米司法制度の犠牲」と家族

» 2013年01月14日 09時54分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 14歳でRSSフォーマットの作成に参加して天才プログラマーとして名を馳せ、情報の自由を訴えるインターネット活動家としても知られるアーロン・シュワルツ氏が1月11日(現地時間)、自殺した。26歳だった。

 ニューヨークの自宅マンションで首を吊っているところを友人が発見したと、同氏の叔父であるマイケル・ウォルフ氏が米マサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアThe Techに伝えた。

 aaron 2011年1月にSOPA反対キャンペーンで演説する故アーロン・シュワルツ氏

 シュワルツ氏は2010年、インターネットの自由を守るために公共政策の改善を訴える非営利団体「Demand Progress」を創設した。また、裁判資料や学術資料は誰もが参照できるようになるべきだという考えで、自身のWebサイト裁判資料へのリンクを公開している。

 同氏は2011年7月19日、MITのネットワークを通じて会員制の学術論文アーカイブJSTORから約480万件の電子文書を盗んだ疑いで逮捕された。JSTORは事件の追跡を求めなかったが、米連邦地検がシュワルツ氏を不正アクセスと文書窃盗で告訴した。同氏が自殺した時点で、この訴訟はまだ係争中。有罪が確定した場合、最大35年の懲役と100万ドルの罰金が科せられる可能性があった。

 同氏の家族や友人が共同で発表した声明文には、「アーロンの死は個人的な悲劇ではない。威嚇と検察の行き過ぎに満ちた米国の刑事司法制度の産物だ」とある。New York Timesは、シュワルツ氏が係争中の裁判でかなり消耗していることは明らかだったという親しい友人の言葉を伝えている。同氏はまた、うつ状態や深刻な病気を抱えていたという。

 シュワルツ氏のWebサイトには追悼ページが開設され、多数のメッセージが寄せられている他、ティム・バーナーズ‐リー氏ローレンス・レッシグ氏などがシュワルツ氏の死を悼む記事を投稿している。

 lessig レッシグ氏の「検事はいじめっ子だ」と題したブログ

 シュワルツ氏の葬式は1月15日にニューヨークのセントラルアベニューシナゴーグで行われる予定。

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