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イカは飛べるじゃなイカ! 北大が連続撮影、飛行の仕組みを解明

» 2013年02月08日 16時29分 公開
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 「外洋性イカは本当に飛ぶ」──そんな論文が海洋生物学の専門誌に掲載された。イカが水面から飛び出して着水するまでの連続撮影に北海道大学が成功し、その詳細な行動を世界で初めて明らかにした。

 2011年7月25日午後2時半ごろ、東京の東方約600キロの海上で、北大付属練習船「おしょろ丸」の実習航海中、船に驚いたとみられるイカ約100匹が海上が飛び出す様子を、大学院生の村松康太さんと国際基督教大学の鯨類研究家・関口圭子博士が撮影=写真=。写真をもとにイカの飛ぶ行動を解析した。

 イカはアカイカかトビイカとみられ、全長は約20センチ強。飛行する場合は(1)水を勢いよくはき出し水面から飛び出し、(2)水をろうとから噴射し続けて空中で加速、揚力を発生させるためにひれと腕の間の保護膜を広げる、(3)進行方向に向かってやや持ち上がった姿勢(ピッチアップ)でバランスを取りながら滑空、(4)ひれを巻き付け腕をたたみ、進行方向に対してやや下がった姿勢(ピッチダウン)で着水し、衝撃を和らげる─という4段階が分かり、「単に“水面からの飛び出し”ではなく、高度に発達した飛行行動を持つことが明らかになった」としている。

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