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「超会議の目玉にしようと……」 宮崎駿作品、初の舞台化 英劇団の「もののけ姫」来日公演

» 2013年03月05日 17時34分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 ドワンゴや日本テレビ放送網など10社で構成するPrincess MONONOKE実行委員会は3月5日、スタジオジブリの映画作品「もののけ姫」の舞台を、今年のゴールデンウィークに都内で上演すると発表した。英国の劇団による来日公演で、宮崎駿監督作品の舞台化は初。「ニコニコ超会議 2」の時期に合わせた来日公演を、ドワンゴの川上量生会長(44)が推進してきたという。

 演じるのは、イギリスの若手劇団「ホール・ホグ・シアター」。「タタリ神」や「シシ神」などの動物はパペットで表現し、人間の役者と入り交じりながら演じる。1つのパペットを基本的に3人で演じ、15人の役者で、73の登場人物・動物を演じ分けていくという。

画像 鈴木プロデューサー(左)、ルター氏(中)。肩に乗っているのは、舞台で実際に使うコダマのパペット

 劇団創設者でアートディレクターのアレクサンドラ・ルター氏(23)がもののけ姫の映画に感銘を受け、「ウォレスとグルミット」監督のニック・パーク氏を通じて宮崎監督に舞台化を申し出、実現したという。宮崎監督は、自らの作品の舞台化やハリウッド映画化などをすべて断ってきたが、劇団が制作した数分間のテスト映像を見て、直感で許諾を決めたという。

 公演は4月29日から5月6日、「アイアシアタートーキョー」(東京・原宿)で実施。チケットは7500円で、ローソンチケットとイープラスで、3月6日に先行予約、4月6日に一般発売をスタートする。実行委員会には、ドワンゴ、日テレのほか、ネルケプランニング、読売新聞、TOKYO FM、ローソン、イープラス、電通、アイア、BS日テレが参加している。

「超会議の目玉にしようと……」

 同日、東京・六本木の「ニコファーレ」開かれた発表会に、ホール・ホグ・シアター創設者のルター氏、スタジオジブリ代表取締役プロデューサーの鈴木敏夫氏(64)、スタジオジブリプロデューサー見習いでドワンゴ会長の川上氏、日本テレビ放送網 映画事業部長の奥田誠治氏(56)が参加し、舞台化の経緯や思いなどについて語った。

 ルター氏はもののけ姫を初めて見た時、「なんて美しい映画だろう」と感銘を受け、2度目に見た時に「ナゴの守がタタリ神になるシーンをパペットでできれば面白い。映画に表現されている喪失感や生きていくはかなさなどを舞台に表現できればすばらしいのではと考えた」と、舞台化の経緯を振り返る。

 ジブリは舞台の内容に一切口を出さず、劇団に任せきっているという。「イギリスの人がもののけ姫をどう思ったかをそっくりそのまま見てみたい。誤解を恐れず言うが、“変な”もののけ姫を見たい。こぢんまりとまとまったものではなく、破綻したものでいいから」と鈴木氏は話す。

 来日公演の実現に動いたのは川上会長だったという。「テスト映像を見て興味を持ち、超会議の目玉の1つになればいいと思って鈴木さんにお願いした」ことが発端。「ニコニコミュージカル」を手がける執行役員の片岡義朗氏とともに英国に渡り、稽古も実際に見たが、「正直、よく分からなかった」と素直な感想を口にする。

画像 ニコファーレの壁に映るコメントは、否定的なものも多かった

 「僕は判断能力がないから片岡の意見を聞いたところ、非常にレベルが高いという評価だったので、(日本に)持ってきた方がいいかなと思って頑張ってみた」(川上会長)。超会議は4月27日、28日の予定で、アイアシアタートーキョーでの公演の前日と前々日。超会議と公演の関連については「あさって超会議の発表を行うので、そこで何かあるかも」とにごした。

 発表会の様子は、「ドワンゴ新プロジェクト記者発表会」と銘打った「ニコニコ生放送」の番組で中継され、一部のコメントが発表会場に流れた。ニコニコユーザーからは「888888888888888888」といった拍手や、「ルターさん美人」「見てみたい」など肯定的な声が寄せられた一方で、「発表これだけ?」「ニコニコの個性がなくなっていく」「TVと変わらん」など否定的なコメントや、登壇者や質問者を揶揄(やゆ)するようなコメントも流れており、「コメ消しなよ運営」と配慮するコメントも投稿されていた。

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