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ユーザーレビューとどう向き合う? クックパッドiPhoneアプリに酷評殺到の背景(1/3 ページ)

» 2013年04月02日 10時00分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 2月初め、「クックパッド」のiPhoneアプリが新しくなった。従来は、検索機能中心のシンプルなアプリだったが、新アプリはレシピ提案機能などを充実させた多機能でモダンデザイン。Web業界では好評で、絶賛するニュースメディアやブログも多かった。

画像 4月2日現在のApp Storeのレビュー。高評価は徐々に戻っているものの、☆1が圧倒的に多い

 だが、ユーザーがApp Storeに投稿したレビューは辛らつだった。「前の方が良かった」「使いづらい」など酷評が集中。「☆」1つの評価が大量に投稿され、“炎上”状態になっていた。

 その後のバージョンアップなどで徐々に評価は戻っており、最新バージョンでは「☆4」や「☆5」の評価も増えてきた。だが、最初のバージョンアップ時に多くのユーザーが低評価を投稿したため、全評価の合計を見ると、3月末現在でも、「☆1」が大多数のままだ。

 思わぬ反応に、クックパッドの橋本健太CTOは「メジャーバージョンアップで完成ではない。これからがスタート。改善を繰り返していきたい」と気を引き締めている。

UI大きく変更 拡張性を拡大

 クックパッドのiPhoneアプリが最初に公開されたのは09年11月。その後、マイナーアップデートを繰り返してきたが、設計が古く、拡張性に限界があったことなどから、ゼロからのリニューアルすることにしたという。

 開発チームにはユーザーエクスペリエンス(UX)の専門家を入れ、ユーザーインタビューを重ねるなど、ユーザー目線に立った設計を重視。従来はテキストメインで、検索を中心にした作りだったが、刷新後は写真を大きく表示するなどビジュアルを重視し、おすすめレシピや話題のレシピにアクセスしやすくするなど提案型の機能を充実させた。レシピ投稿機能など、従来のアプリになかった機能を追加する一方で、気になるレシピをメモしておける「今日の献立」機能など、一部機能を廃止した。


画像 アップデート前。テキスト中心で、トップページから「MYフォルダ」などにアクセスできるシンプルな設計だった
画像 アップデート後。大きな画像をふんだんに使い、スワイプするとMYフォルダなどにアクセスできる多機能なアプリになった

 アプリの使い勝手は大きく変更。従来は、画面下に並んだ「検索」「MYフォルダ」などのボタンからそれぞれのメニューにアクセスする仕様だったが、新アプリは、タブと左右スワイプでメニューを切り替えるモダンなインタフェースに。起動してワンタッチでアクセスできていた機能の一部が起動画面から消え、一度スワイプする必要がある場所に移動した。

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