ジャック・ドーシー氏は、TwitterとSquareという、2つのサービスを成功させた起業家だ。Twitterは、世界2億人以上が利用するつぶやきサービス。Squareは、スマートフォンで決済できるカード決済サービス。まったく違うサービスに見える2つは、同じ思いでつながっているという。4月16日に都内で開かれた「新経済サミット2013」でドーシー氏が講演。自らの起業家精神について語った。
「好きなことや問題意識を持っていることに対して、行動を起こすのが起業家精神だ」と説くドーシー氏。Squareの原点は、「どうすればコマースを簡単にできるか」だったという。
Squareは、スマートフォンにアプリをインストールし、イヤフォンジャックに小さな読み取り端末を接続するだけで、カード決済を受けられるサービス。Squareの共同創業者であるガラス細工アーティストのジム・マッケルビー氏が、作品をカード決済で売りたいというニーズから出発したという。
カード決済は、「デバイスが障害だった」とドーシー氏。「クレジットカード決済の機械は複雑で、ださい」のだ。Squareなら、特別な機械を導入する必要なく、スマートフォンだけで決済可能。「売る人と買う人の間で仕方なくやっている決済作業を素敵なコミュニケーションに変えられ、売りたい人と買いたい人の意識を一瞬でつなげる」
Squareの端末は無料。北米ですでに300万個普及しているという。収益は決済手数料から得ている。マッケルビー氏のように、手作りのものを売りたい個人から、小さな店舗で商売している人、タクシーの運転手など、「売る物を持っている人や会社のためにSquareはある」とドーシー氏は話す。
TwitterもSquareも、どこでも誰でも、簡単に使えるサービスだ。「Twitterは、安い端末を使っている人も高いiPadを使っている人でも、オバマ大統領とコミュニケーションが取れる。Squareも同じ。ミズーリのような田舎でもニューヨークの都市部でも、個人のコーヒー店でもスターバックスでも同じように簡単に決済できる。Twitter上のコミュニケーションをリアルタイムでマッピングできるように、Squareはリアルタイムでコマースを見られる」
それぞれ、テクノロジーを使ったビジネスだが、「テクノロジーだということを、使っている人に感じさせないことが求められている」とドーシー氏。「Twitterは、コミュニケーションを簡単にするサービス。Squareはコマースを簡単にするサービス。われわれは世界を簡単にしている」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR