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» 2013年04月19日 12時07分 UPDATE

新経済サミット2013:「エンジニア1人で世界を変えられる時代、日本からイノベーションを起こすには」 伊藤穰一氏、Rubyまつもと氏など議論 (2/3)

[岡田有花,ITmedia]
画像 まつもと氏

 ネット時代は「予測不能で、やっている本人も分からない」と、まつもと氏は言う。20年前、まつもと氏は1人でプログラミングの世界を変えることができた。あれから20年経ち、ネットインフラが発達した今は、「1人のエンジニアは5年や1年で世界を変える可能性がある」時代。「その時代にあって、『政府の支援が……』とか言っている場合じゃない気がする」と話す。

 日本はエンジニアの人材が不足していると伊藤氏や熊谷氏は指摘するが、「優秀なエンジニアはたくさんいるし、日本とアメリカで技術的なレベルの差もあまりない」とまつもと氏は反論。ただ「日本のエンジニアは給料が圧倒的に低い」と訴える。

 日本のエンジニアの多くは、大企業に務め、事業計画に基づいて仕事をしているが、「世界を変えようと思うなら、そういう人を放流・解放して、彼らの邪魔をしないのが必要ではないか」というのがまつもと氏の意見だ。「つまらない仕事をしているエンジニアは、辞めたらいいと思う。1人で世界を変えられるんだから」(まつもと氏)

 パネリストは全員、エンジニア出身か、コードを書いてサービスを作った経験を持っていた。「エンジニアリングが分かることそのものが、これからの時代は本質になっていくし、プログラミングができる人の立場も向上させないといけない」(まつもと氏)

空気を読むな

 日本の教育に問題があるという指摘も多かった。伊藤氏は、「“おりこうさん”を作る日本の教育が、クリエイティブな人材を殺している。権威を疑って勝手にやる、やってから仮説を考えるような人材が必要。クリエイティビティをアンロックしないといけない」と指摘。森川氏は「日本の教育は出る杭は打たれると教えるが、チャレンジすることを賞賛する、未来を作る教育があってもいいかと思う」と話す。

 まつもと氏は「小学生の時、なぜあなたはほかの人と同じことができないのかとよく言われた」タイプだが、そんな彼でも「自分の子どもが学校の宿題をしなかったりするともやもやするし、学校でいい子でいてほしいと思う」という。「日本人としての思い込み、強いすりこみがあり、思い込みがわたしたちをかなり縛っている。意識的に打破していかないといけない」(まつもと氏)

 LINEは韓国企業を親会社に持ち、社員も多国籍。森川氏は「空気を読まないこと」が大事だと話す。「日本人は優しいから、あいつが言うならとか、この前約束したからと空気を読むが、日本人以外は率直だったりする。どこの国の人でもいいが、一番大事なことは、率直に物事の本質をつかんで向き合うことだ」

 グループ社員の4割が外国人というグリーは、スタッフの意思統一をどう行うか悩んでいると、田中氏は打ち明ける。「日本のためにと思って経営しているが、外国人社員の間では『日本は関係ないよね』と、変な空気が流れる。日本企業であることの強さや方向感と、GREEとしての方向感を両方示さねばならず、悩んでいる」

日本の「すごく変な人」を応援せよ

 日本からイノベーションを創出するには、「変な人」を守り、応援する――「変な人を祭る」文化が必要と、伊藤氏は言う。「社会全体を真ん中から変えるのではなく、端っこの変なヤツを応援する。変な人はすごく価値があり、変な日本人は結構多い。漫画を描いている人などは、日本が誇る変な奴。日本の変なやつは世界的に、結構すごい」

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