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Googleで探せない「発見」を――創業者が語る、Pinterestに込めた思い新経済サミット2013(1/2 ページ)

» 2013年05月02日 09時16分 公開
[岡田有花,ITmedia]
画像 Pinterest

 「Pinterest」(ピンタレスト)は、2010年にオープンした米国発の画像共有SNSだ。Web上の画像や動画を「ピンボード」に「Pin」(スクラップ)し、テーマごとにまとめて整理したり、興味の近いユーザーのコレクションをチェックし、自分のピンボードに加えられる。女性を中心に世界で5000万人近いユーザーをかかえているとされ、昨年5月には楽天からの出資を受けた。

 「子どものころのコレクションを、Webに再現したい」。そんな気持ちで始めたサービス。Webサービスながら「PCをシャットダウンし、実社会で行動してほしい」という思いも込められている。共同創業者のベン・シルバーマン氏がこのほど来日。「新経済サミット2013」で、Pinterestの成り立ちやミッションを語った。

Googleで探せない「発見」を

画像 シルバーマン氏

 「あらゆる偉大な会社は、シンプルでマジカルな体験から始まる」。シルバーマン氏はこう切り出す。Googleに勤めていたシルバーマン氏。検索エンジンは、質問に対して即時に答えを返してくれるという「シンプルでマジカルな」体験ができるサービスだ。

 だが、Googleに聞けない質問もある。「今度建てる家、どういうデザインにしよう」「夕食に何を作ろう」「美しいファッションってどんなんだろう」「今年はどこに旅行しよう」――こんな質問は、自分が何が好きか、何をしたいかを見極め、自分の関心を誰かにシェアして初めて答えが見つかる、「発見」に関する質問だとシルバーマン氏は言う。

 Pinterestは、「好きな物やインスピレーションを得たものを共有でき、ほかの人のコレクションでいろいろ発見できる」サービス。しかも、機械や検索エンジンによる発見ではなく、「ほかの誰かが関心があり、自分も興味があることを探せる」のが特徴だ。この経験を「世界中のどこでも楽しめる」のだ。

昆虫採集をオンラインで

 「子どものころにやっていたコレクションを、オンラインでできないか」――そんな発想がPinterestの始まりだったという。「09年ごろ、オンラインで自分が書いた物を共有できる場所ができていたが、コレクションを共有する場所がなかった。蝶やレコードの写真をオンラインで共有できないか、幼なじみと一緒に考えた」


画像画像

 画像なら、言葉はいらない。ネットの力で、共有の範囲は世界に広がる。「何も言わなくても、コレクションをまとめて見せるだけで、自分を表現でき、自分が世界をどう見ているかが分かり、ほかの人と視点をシェアできる。職場や大学が違う人たちとも、同じ関心を持つ人同士をつなげられる」

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