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“廉価版”iPhone 5cが「7万円」──「高過ぎ!」と驚愕する中国人(2/3 ページ)

» 2013年09月13日 10時28分 公開
[山谷剛史,ITmedia]

 Appleは中国市場に力を入れており、今回は初めて9月20日の世界同時発売に仲間入りする。iPhone 4SやiPhone 5の発売は世界発売から3か月遅れ。このため、海外で発売されれば、現地からオンラインショッピングサイト「淘宝網」(TAOBAO)などで個人輸入するのが当たり前だった。今回は世界同時発売で転売ビジネスはなくなるかと言われていたが、ふたを開ければこの驚愕の値段だったので、いくぶん安い香港で購入し、本土に持ち運ぶ転売屋が多く動き出すようだ。

photo さっそく淘宝網では香港版など外国のiPhoneの販売を予約する店も

 中国で安価、廉価とされるスマートフォンはいくらくらいで販売されているのだろうか。

 中国メーカーのモノを見てみると、低価格を売りに地方都市で展開する「尼彩」(Nieche)では300元からスマートフォンが売られている。「スマホはよく分からないけど、買い換えようという地方都市住民」がターゲットだが、この層の数は少なくなく、iPhoneによく似たスマホも売られている。

photo 地方の小都市でもiPhone 4SはiPhone 5cよりも安く売られている

 尼彩は特に廉価だが、ほかにも多数の中国メーカーの安価な製品が地方都市でよく売られている。一方スマホを熟知している人向けには、性能やコストパフォーマンスを求める「小米」(Xiaomi)、「魅族」(Meizu)、「OPPO」といったメーカーがあり、だいたいハイコストパフォーマンス2500元程度までにおさまっている。

 一例を挙げると、魅族の「MX3」という製品は、1800×1080ピクセル表示が可能な5.1インチディスプレイを搭載し、CPUはSamsung製クアッドコアExynos 5410(1.7GHz)、2GバイトRAM、16Gバイトストレージというスペックで2499元(4万円強)である。

 こうしてみると、Appleのブランドを考えても、中国で“廉価”というからには2999元程度までは落としてほしかったところ。iPhone 5cの4488元は、中国の庶民から見てもスマホ通から見ても到底廉価とは言える価格ではなかった。

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