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「日本のLINEはすごい」とセールスフォースのベニオフCEO、自社サービスにも「参考にした」Dreamforce 2013 Report(1/2 ページ)

» 2013年11月21日 11時53分 公開
[本宮学,ITmedia]
photo ベニオフCEO

 米salesforce.comはサンフランシスコで開催中の「Dreamforce 2013」で、企業のモバイル活用を支援するプラットフォーム「Salesforce 1」を発表した(関連記事)。同社のマーク・ベニオフCEOによれば、新サービスの構想・開発に当たっては「日本のスマートフォンアプリ『LINE』を参考にした」という。

 Salesforce 1は、クラウド型の業務アプリケーションをモバイル端末向けに展開するプラットフォームだ。具体的には、同社のクラウドサービスのAPIを多数提供してサードパーティーアプリの開発を支援するほか、作成したアプリを公開する場も提供する。ユーザーはそこから利用したい業務アプリを選び、共通のモバイルプラットフォーム上で運用・管理できる仕組みだ。

 ベニオフ氏によれば、新サービスの開発のきっかけとなったのは「モバイルアプリ開発の難しさ」だという。同社はこれまでもクラウドサービスをモバイル端末に対応させる試みを行ってきたが、「サービス側のAPIが足りず、モバイル端末上でやりたいことが全部はできない状況だった」。そこで今回、SalesforceのAPIの数を従来の10倍以上に増強し、PC版に見劣りしないモバイルアプリを開発できるようにしたという。

photo Salesforce 1では、共通のネイティブアプリ(iOS/Android)上にさまざまなISVの業務アプリが展開される

 だが、ベニオフ氏が目指したのは業務アプリのモバイル対応だけではない。「われわれがやりたかったことはもう1つある」――それこそが、外部のISV(独立系ソフトベンダー)が業務アプリを自由に展開できるモバイルプラットフォームの構築である。

 イメージとしては、AppleのAppStoreのように、さまざまな企業や開発者が一定の条件下でアプリを公開できる場を想像すればいいだろう。しかしベニオフ氏によれば、Salesforce 1を構想する上で真っ先に参考にしたのはAppStoreやGoogle Playではなく、日本のモバイルメッセンジャーアプリ「LINE」だったという。

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