グロースハッカー(Growth Hacker)とは、一言で言えば、事業の成長請負人。広告宣伝予算のない新興企業で、なんとか製品やサービスを成長(growth)させようと数々の手法(=グロースハック)を編み出した人々だ(アイティメディアの読者の皆さんであれば、「ハッカー」には元々悪いニュアンスはなく、技術力のあるエンジニアを指す敬称であることはご存じだろう)。
今となっては大企業のTwitterもDropboxも、グロースハックを駆使して成長してきた。実際のところ、2社とも少なくとも日本ではテレビCMを打ったこともないが、多数のユーザーを獲得している。
日経BPが出版した『グロースハッカー』は、Twitter、Dropbox、AirBnBなどの事例を挙げてグロースハックのマインドセット(考え方)を説明する入門書だ。企業のマーケティング担当者の必読書だが、ITmediaの読者であれば、気軽に楽しんでいただけるだろう。
翻訳を担当した私も、かつて記事にしたDropboxのキャンペーンやTwitterで頻繁に変わる機能の舞台裏をのぞくことができ、腑に落ちた。
Googleが「Google Glass」で実施しているExplorer制度や同社傘下のMotorola Mobilityが最近立ち上げた「Project Ara」など、製品開発段階からユーザーを巻き込んでフィードバックを得るのもグロースハックの一種だ。グロースハックは今や、予算のない新興企業だけのものではないのだ。
日本語版にはクックパッドのグロースハッカー(と勝手に呼ばせていただく)、加藤恭輔氏による具体的な解説が収録されており、こちらも必読だ。
本文冒頭の10ページ分と解説冒頭の8ページ分を読めるPDFはこちらからダウンロードできる。
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