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スマホ発熱で焼損、やけど報告急増 国民生活センターが注意呼びかけ

» 2014年02月21日 18時28分 公開
[ITmedia]
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 国民生活センターは、スマートフォン本体の発熱や充電端子の焼損についての相談が2009〜13年度(13年は12月31日まで)に1032件あり、そのうち、やけどした/やけどしそうになったという相談が268件あったことを明らかにした。相談件数ややけどの報告件数は増加傾向にあるとし、消費者に注意を呼びかけている。

 相談内容は、「充電中に充電端子が熱くなった」「使用中、本体が熱くなり、フリーズしてしまう」「バッテリーが熱くなってしまう」など。やけどした、やけどしそうになった268件のうち、充電端子が充電中に発熱/焼損した事例が65件、本体が充電中/使用中に発熱した事例が165件あった。

 充電中の事例のうち、スマートフォンを置いていたテーブルや布団など周辺物に焼損が及んだ事例は23件、手指をやけどしたなどの申し出は11件あった。本体が発熱した事例は、通話中/使用中が65件、充電中は33件、充電しながら通話や使用していた事例は7件あり、顔や手指にやけどしたなどの申し出は64件あった。

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 スマートフォンと充電器の接続部分(microUSB端子)が焼け焦げてたと報告があった商品を分解調査したところ、端子の本体側・充電側それぞれで、電源のDC5ボルトを供給する接点端子(1番ピン)周辺の損傷が最も激しかった。

 同型品の充電端子の接点部分を破損させ、ショートに近い状態を作成して充電したところ、接点部の温度が100度以上に上昇。充電端子に導電性の異物を混入させて充電したところ、接点部が160度を超え、充電端子が損傷した。このため、問題が起きた商品では、充電端子の破損や異物の混入が原因で充電端子の接続部がショートに近い状態になって発熱した可能性があると指摘している。

 また使用中に熱くなりすぎると報告があった商品について、サーモグラフィで表面温度を計測したところ、ゲームアプリやテレビ電話を10分程度使用するだけで、電池パックが収納されているスマートフォン上部の表面温度が最大54度、背面が58度まで上昇。画面上には、温度上昇により起動中のアプリを終了した旨が表示された。発熱の主な原因は、アプリやテレビ電話の使用でCPUなどへの負荷が増大したことによるものとみている。

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 消費者に対しては、スマートフォンの充電端子に金属片や鉛筆の芯、液体など導電性の異物を付着したまま充電しないこと、充電時に端子が異常に熱くなったらすぐに充電を中止すること、やけど防止のため、使用中に長時間肌に密着させないことを呼びかけている。業界、業者に対しては、発熱や焼損しにくい充電端子や、本体の発熱を抑えた商品の開発、発熱や焼損、やけど防止に関する周知・啓発を要望している。

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