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タモリの魅力に膨大なエピソードで迫る「タモリ学」 テレビの顔でありながらネットでも愛される理由(1/3 ページ)

» 2014年03月25日 09時00分 公開
[山崎春奈,ITmedia]
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 「タモリをもっと知りたくて」――日本国民に広く愛されるタモリこと森田一義さんの唯一無二の魅力に、本人や周囲の人が語っているこれまでのエピソードをもとに迫る単行本「タモリ学 タモリにとって『タモリ』とは何か?」(イースト・プレス、税別1000円)が3月26日に発売される。

 著者は、テレビ番組やタレントに関するレビューや考察を中心としたブログ「てれびのスキマ」の戸部田誠さん。2011年6月、「タモリさんのこれまでのエピソードをまとめた『タモリ学」を書きたい」とTwitterでつぶやいたことが書籍企画が立ち上がるきっかけだった。

 発売に先駆け、タモリさんの半生のエピソードをまとめた全5回の「大タモリ年表」がWeb文芸誌「マトグロッソ」のWebサイトで公開された。第1弾は1945〜1968年、タモリさんの誕生からサラリーマン時代をまとめたものだ。第2弾の1975年〜1980年も公開されている。

 80冊以上の単行本、新聞や雑誌の記事、膨大な量のテレビやラジオ番組を参照し3年間に渡る緻密な調査によって書かれた年表は、“付録”でありながら全5万字以上になった。「笑っていいとも!」が終わろうとする今問いかける、愛と情熱のこもったタイトル「『タモリ』とは何か?」の答えは――著者の戸部田さんに話を聞いた。

年表は「どれよりも詳しく、面白く」

 ――「タモリ学」を書こうと思った動機やきっかけは。

 元々タモリさんは好きで、僕のブログの最初のエントリがタモリさんに関するものだったくらいです。本としてまとめたいと考えた直接のきっかけは、11年5月末から6月初めにかけて山里亮太さんや中田敦彦さんが立て続けにタモリさんに関する話をされていて「語られるタモリ」の面白さを実感したことです。2人の発言をブログ記事にまとめたものも反響が大きく、エピソードや発言をまとめた本を作りたいと思いました。

 ――紙の書籍としてまとめることには特別なこだわりはあったのか。

 自分自身が紙の「本」が好きというのが一番です。加えて、近年のタモリさんのことをまとめた本が「Quick Japan vol.41」(2002年)以降、僕が知るかぎり当時ほとんどなかったことも大きいです。

 ブログでも出典にはこだわっていたので、書籍にする上で書き手として大きくスタンスを変えたことはありません。ご本人は無理でも周辺の人に取材しようかとも考えましたが、「タモリ」をとらえる上で「視聴者の1人」がもっとも適切な距離感だと思ったのでこれも維持しました。

 ――「大タモリ年表」の無料公開に至る経緯は。

 個人的にデータが詳細に載っている本が好きなので、企画が動き始めた時から、年表は入れたい項目の筆頭として挙げていました。ただ、「現在公開されているどの年表よりも詳しく、かつ読み物としても面白く読めるもの」を目指して精力的に書き進めていたら昨年11月の時点で5万字を軽く超えてしまって……。

 書籍とWeb両方に掲載して、Webは随時最新版に更新するという案もありましたが、膨大な文量のためページ数が大幅に増え、価格が上がってしまうこと、校正などで相当の時間がかかること――などを理由に本への掲載は泣く泣く断念しました。年表は本書の「売り」のひとつになるかと思っていたので迷いましたが、広く知ってもらう方がいいかな、と無料で全公開という選択をしました。

 公開直後は思いの外反応が薄くて焦っていたのですが、結果的に反響も大きく、多くの人に興味を持ってもらえたようでよかったです。印象に残ってる反応は、そうですね……、ITmedia ニュースの記事がYahoo!に掲載されたことで、普段連絡などしてこない弟から電話がかかってきたのは驚きました。

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