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niconicoに「週刊文春チャンネル」開設 発売日早朝に“中吊り広告の見出し全部”をメール配信

» 2014年04月02日 17時20分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 ドワンゴとニワンゴ、文藝春秋は4月1日、「ニコニコチャンネル」に「週刊文春デジタル」を開設した。連載、グラビア以外の特集記事をメールやブログ形式ですべて閲覧できる。月額864円(税込)。

photo 週刊文春デジタル

 ニコニコチャンネルは、動画や生放送の配信に加え、ブログとメールマガジンを組み合わせた「ブロマガ」機能でテキスト配信もできるプラットフォーム。2008年にサービスを開始し、タレントやアーティスト、政治家、クリエイターなどによる300以上の有料チャンネルで計13万人以上の有料会員を獲得している。

photo ニコニコTOPページでの中吊り表示イメージ

 「週刊文春デジタル」では、最新号の特集記事すべてを発売日の午前5時に会員向けにメールで配信する。対象記事はグラビア、連載を除いたもので、電車の中吊り広告で紹介される見出しはほぼ含まれるという。チャンネル内では最新5号分を閲覧でき、EPUB形式でダウンロードすれば期限なく読める。無料分として、発売前日にスクープ速報を掲載するという。

 文藝春秋の西川清史常務は「電車の中で週刊誌を読む人をほとんど見なくなり、代わりに手にはスマホ。ゲームやSNSを楽しむ人に、自分たちが心血を注いだコンテンツを突きつけたい」と意気込む。「テレビや雑誌では報じないこと、踏み込みにくいことを広く伝えるのが“最古の炎上メディア”としての週刊誌の生命線。スクープをネットで話題にしてもらうことがうれしい一方、違法コピーのはん濫には危惧や憤りを感じるのも事実」と、公式にデジタル配信する意義を語る。

 編集部名義でチャンネルを開設し、雑誌記事そのものをブロマガで配信するケースは初めて。電子雑誌形式ではなくブロマガを選んだ理由として、購入の手間をかけずメール形式でいち早くプッシュ配信できること、ブログやEPUB形式など多様なスタイルで読めること、従来の読者層と異なるファンの獲得――などを挙げる。有料会員数の目標は1万人とし、「堀江(貴文)さんは超えたい」と具体的な名前を出す場面もあった。

photo 文藝春秋 西川清史常務

 今後、動画や生放送の活用も予定。ドワンゴの川上量生会長は「深海生物を見守るだけ、焚き火が燃えているだけ、など一見すると面白みのない生放送が何万人にも見られ、雑談が生まれている実績がある。最新号の週刊文春の中吊り広告を眺めるだけの番組も配信してみたい」と話す。

 「週刊文春のモットーは『向かうところ敵ばかり』と『親しき仲にもスキャンダル』。ドワンゴとお互いに強みを生かし、協力してニコニコやっていきたいが、何かいいネタがあれば手は緩めない。川上会長には身辺の潔白を保っていただければ」(西川常務)

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