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ファッションアプリ「WEAR」、商品バーコードスキャン機能廃止 店舗側の懸念大きく

» 2014年04月08日 17時37分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは4月8日、ファッションアプリ「WEAR」の商品バーコードスキャン機能を廃止すると発表した。「より多くのブランドや商業施設に安心してご利用いただくため」としている。アプリは200万ダウンロードを超えるヒットになっており、今後は人気のコーディネート共有機能をメインに据える。

photo PARCOとのキャンペーンサイト

 同アプリは昨年10月末に公開。店頭でアパレルアイテムのバーコードをスキャンすると、後日ECサイトで購入したり、ユーザーから投稿されたコーディネートの中からそのアイテムを使ったものを見られる仕組みだった。

 店舗への導入にあたり「スキャン行為が盗撮に見えるのでは」「ネットでの購入は店舗の売り上げにならない」と懸念するブランドや商業施設があったことが理由という。「ファッション業界全体を盛り上げることやユーザーの利便性を考えた機能だが、反発があると本末転倒。ユーザーに支持を受けている役割やブランド側の意向などを踏まえて廃止を決めた」(広報)としている。

 一般ユーザー向けにはバーコードスキャン機能は廃止するが、ショップスタッフ向けには提供を続ける。商品のサイズやカラー展開、関連コーディネートなどを確認し、接客の幅を広げるために活用できるという。

 同機能を利用した昨年11月からファッションビル「PARCO」4店舗で行っている試験導入は、当初の予定通り4月30日まで続ける。スキャンを行うには各店舗で「チェックイン」する必要があり、店舗では確認のみでその後EC経由で購入した場合は売り上げとしてカウントされるようになっていた。

photo App Storeのメインビジュアルでもコーディネート共有を訴求

 今後はユーザー同士のコーディネート共有機能をメインに押し出していく。コーディネートは1日1万件以上、累計40万件以上投稿されているという。バーコードスキャン経由のコーディネート検索はできなくなるが、アイテム名やブランドから検索すればこれまで通り一覧で閲覧できる。

 同社の前澤友作社長は「より多くのブランド様や商業施設様にWEARを安心してご利用いただくために、バーコードスキャン機能を中止することといたしました。引き続きファッション業界全体のマーケット拡大につながるようなインフラサービスを目指してまいります」とコメントしている。

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