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時代は「読み・書き・プログラミング」――子ども向けデジタルものづくり教室「Qremo」を見学してきました(1/2 ページ)

» 2014年04月14日 14時10分 公開
[山崎春奈,ITmedia]

 新学期を間近に控えた4月2日。東京・JR渋谷駅からほど近いビルの一室に集まったのは学年が異なる4人の小学生だ。若干緊張した顔持ちの子どもたちに講師が声をかけてリラックスさせていく。「みんなどんなロボット作りたい?」「くま!」「お仕事するやつ」。たくさんのレゴブロックを使って始まったのは、プログラミングで動く「ロボット作り」──ここは子どもが学べる“ITものづくり教室”なのだ。

photo 今日作る“ロボット”は口が開閉するワニ

 東京・渋谷にオープンした「Qremo」は、高校生までを対象とした子ども向けのものづくり教室。レゴブロックやモーターを使ったロボット作り、3Dプリンタやレーザーカッターでオリジナルアクセサリーのデザイン、教育用プログラミング言語「Scratch」を用いたゲーム制作、名刺サイズのコンピュータ「Rasberry Pi」とカメラ、LEDで電子工作――などの多彩なコースが設けられている。

photo 各自のペースでレゴブロックやMacBook Airとたわむれる
photo 指示ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミングでロボットの動きを制御

 年初のプレオープンから口コミなどで評判が広がり、問い合わせは月100件以上にのぼる。保護者からは「iPadでゲームやアプリを遊ぶのが大好きなので何か役に立たないかと思って」「子ども自身が興味を持っているが自分では教えられない」などの声が多いという。

 小学校高学年〜中学生がメインになると予想していたが、ふたを開けてみると未就学児の参加も珍しくなく、机や椅子の高さを調整する必要が生じるほどだった。現在の利用者は小学3〜4年生が多く、男子が8割程度。チームラボが手がける明るくポップな内装も手伝い、比較的女子率は高いが、まだまだ増やしていきたいという。

 運営するウイングルは、首都圏で学習塾「Leafプログレス」を展開している企業。応用行動分析学に基づく指導が特徴で、通常の教科に加え、ソーシャルスキルを身につけるコースなども設け、学校には通いにくい発達障害やADHDの子どもにも広く門戸を開いてきた。特定の興味関心に強く集中力を発揮する生徒も多く、勉強や運動以外の多様な選択肢を提供したいと考え、IT・テクノロジーコースも試験的に導入していた。一般の児童や保護者からの反響も大きく、専門塾として開校したのが「Qremo」だ。

photo 3Dデータ作りには既存のアプリを活用。後方には3Dプリンタ
photo レーザーカッターで切り出したオリジナルアクセサリー

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