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「radiko」エリアフリー化に大反響 次はタイムシフト機能? 運営元に聞く(2/2 ページ)

» 2014年04月23日 09時50分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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 月額350円という料金は「高い」という声もある。「ユーザーのことだけを思えば無料で提供するのが一番だが、初期費用やサーバ費用、運用費もかかるため、無料提供は難しい」と青木氏。価格設定の詳細は明かさなかったが、参考として全国のFMラジオが聴けるサービス「LISMO WAVE」「ドコデモFM」が月額300円であることを挙げ、「radikoはFMだけでなく、AMラジオも聴ける」と話す。

 エリアフリー化により日本音楽著作権協会(JASRAC)への支払い額が上がるため、有料化する必要があったと推測する向きもあったが、「配信に関するJASRACの規定には、有料/無料の概念はあるが、エリアの概念はない」ためその指摘は当たらないという。

 エリアフリー化はネットで大きな話題になり、同社が想定していた以上の登録があったという。「想定より評価をいただき、初動は予想より良かった」と感じている。

次はタイムシフト機能? 「いつになるか分からないが実現したい」

画像 青木さん

 次は、放送終了後にも番組が聴ける、タイムシフト機能の実装に取り組みたいという。さまざまな権利者の理解を得、許諾を取る必要があるため「いつになるとは言えない」が、ラジオとSNSとの親和性の高さを生かし、ラジオ文化を維持・拡大するためにも実現したいという。

 「ラジオで放送された内容がSNSで拡散されることが増えている。拡散された情報を見た人が番組を聴きたくても、情報を見た時点で番組が終わっていれば聴けない。タイムシフト機能でそれを解消し、次の人、また次の人へと拡散させたい」。音質の向上や、番組のレコメンド機能の実装も検討している。

 ラジオをめぐる環境は厳しい状態が続く。ラジオ広告費は1991年(2400億円)がピークで、現在は半減。radikoに出資するラジオ局の経営も、厳しさを増している。「広告費を元に戻すのはかなり厳しいが、まずは下げ止まらせ、回復基調に乗せたい。舗装された道ではないのでつまづいたりするだろうが、次の手を打っていきたい」

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