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片面256Gバイトの次世代光ディスク、パイオニアなど開発 BDドライブで再生可能

» 2014年05月13日 17時38分 公開
[ITmedia]

 パイオニアとメモリーテックは5月13日、片面256Gバイトの「データアーカイブ用大容量光ディスク」を開発したと発表した。両面化により最大512Gバイトまで大容量化でき、Blu-ray Disc(BD)ドライブでも再生できるという。図書館など資料を保存するデジタルアーカイブへの活用を想定。三菱化学メディアから技術協力を得ており、市場導入に向けた協議を進める。

画像 ガイド層分離型多層ディスク構造

 従来型光ディスクの記録層内にある案内溝(トラック)を廃し、別途、案内溝専用のガイド層を設ける「ガイド層分離型多層ディスク構造」を採用し、ディスクの構造を簡素化。32Gバイト記録できる記録層を8層積層することで、256Gバイトの大容量を実現した。

 一部のピックアップやファームウェアの変更を行えばBDドライブで再生が可能といい、既存フォーマットとの親和性に優れるとしている。専用ドライブはBDドライブと同じ光学的仕様やエラー訂正方式、符号化方式を採用しており、BDへの記録・再生もできる。

 同技術により、記録層を片面10層/1層当たり36Gバイトに増やしたサンプルディスクの試作にも成功。既存の信号処理技術を流用することで、記録ドライブはそのままで両面720Gバイトの容量を実現できることも確認しているという。さらに、新たな信号処理方式を用いて1層当たりの記録容量を増やし、12層以上積層することで1枚当たり1Tバイト以上の大容量の実現可能としている。

 図書館や美術館の原資料や公文書などの情報を電子化して長期保存するデジタルアーカイブへの活用を想定。光ディスクを用いた記録・保存手法は、ほかのアーカイブ手法より保守費用を抑えられ、浸水など災害時でも記録再現率が高いなど、信頼性が高く評価されているという。

 アーカイブ用光ディスクをめぐっては、ソニーとパナソニックが新規格「Archival Disc」(アーカイバルディスク)を策定。まず1枚当たり300Gバイトで2015年夏以降の市場投入を目指し、将来は1Tバイトまで拡大する計画を表明している

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