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「仕事の仕方を変える絶好の機会」 ファイル共有&コラボ「Box」が日本で本格展開

» 2014年05月21日 19時07分 公開
[ITmedia]

 クラウドストレージ&コラボレーションサービス「Box」がこのほど日本語版サービスを開始し、日本市場で本格的な事業展開を始めた。米GEなどの世界的大手を含む多数の企業に導入されており、日本では新たにディー・エヌ・エー(DeNA)などが採用。「使い勝手の良さとセキュリティ+管理機能の豊富さで、ユーザーと管理者の両方が満足するソリューション」として普及を目指す。

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 Boxは無制限の容量(Businessプラン以上)を持つクラウドストレージ機能と、ファイルをユーザー同士で共有・編集できるコラボレーション機能を備える。ファイルは同期機能によりローカルと同様に扱うことができ、ファイルは共同で編集してメモなどを付けることも可能。社内外のユーザーで共同作業を行うためのワークフロー設定などのほか、無制限のファイル容量を生かし、ファイルを編集履歴ごとに全て保存するといったことも可能になっている。

 PSD(Photoshop)など豊富なファイル形式に対応し、Boxアプリ上で閲覧することも可能。モバイルアプリも公開されており、PCと同様にモバイルデバイスからファイルへのアクセスができるようになっている。

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 管理者向け機能が豊富なのも特徴。ユーザーごとに容量を設定したり、ユーザーのログやリポート機能、閲覧制限の設定などが管理者コンソールから可能になっている。ファイルは暗号化され、セキュリティも万全だとしている。APIを使ったカスタムアプリの開発も可能だ。

 個人向け(10Gバイト)の「Personal」は無料、最大10人で100Gバイトを共有できる「Starter」は月額600円/ユーザー。容量無制限の「Business」は月額1800円/ユーザー、カスタマイズが可能な「Enterprise」は月額4200円/ユーザー。

「仕事の仕方を変える絶好の機会」

photo レヴィCEO(中央)ら。サイボウズの青野社長(左端)は「Boxは米国で大きな実績を挙げて日本に入ってくる。これまでの米企業の日本進出とは違う」

 Boxは現在22万5000社に採用され、2500万人が利用しているという。同社を2005年に創業したアーロン・レヴィCEOは「Fortune 500の企業でBoxを利用していないのはMicrosoftだけ」とジョークを言うほど。トヨタ自動車やパナソニックなど、日系大手も採用している。

 昨年設立された日本法人「ボックスジャパン」の古市克典社長は「ユーザーの使い勝手と安心・安全は通常はトレードオフだが、Boxは両方実現しているのが特徴」という。製品とアプリの日本語対応は完了し、Webサイトも日本語化。世界の企業で採用されている実績を武器に、日本市場での売り込みを本格化する。

 新たにDeNAのほか、サンリオエンターテイメント、日揮、ファミマ・ドットコム、三菱地所、早稲田大学がBoxの採用を発表した。DeNAは世界2000人超のスタッフが社内外の情報共有を活用し、日揮は国際的プロジェクトにBoxを使い、プラント完成に役立ててきたという。

 開発パートナーとしてNTTコミュニケーションズ、コニカミノルタ、サイボウズがBoxを活用した独自ソリューションを提供。サイボウズは「kintone」で開発した業務アプリ内に、Boxのフォルダ/ファイルを組み込むための拡張機能を6月半ばに発表する予定。サイボウズの青野慶久社長は「Boxは全く新しい。ここ何十年変わらなかったビジネスのITが大きく変わるだろう」と期待する。

 ボックスジャパンは米企業の日本法人としては珍しく、マクニカや三井物産などが資本参加しており、販売は従来通りマクニカネットワークスなどパートナー経由を中心に行う考え。レヴィCEOは「仕事の仕方を変える絶好の機会。ビジネストランスフォーメーションは始まったばかり」とアピールし、古市社長は「日本企業の生産性を、クラウドを使いこなすことで向上させたい」と意気込む。

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