日本のポップ・カルチャーが世界で人気――という話はしばしば耳にするものの、実際どうなのかいまいち実感がないのが事実。フィンランドではどうなのでしょう? 現地取材の合間に目撃したものを紹介します。
まずはヘルシンキ中心部の大きな本屋・アカデミア書店。ベストセラーや雑誌など売れ筋商品が並ぶ1階。さすがにこのフロアにはないかな……と思っていたら店内の1番奥に「MANGA」コーナーが。しかも棚2面。
フィンランドの国民的キャラクター・ムーミンの絵本、宮崎駿さん「風の谷のナウシカ」の原作、そして「とっとこハム太郎」が並んでいる、この組み合わせがシュールでした。「ハム太郎」はテレビで放映されていたようです。
その横にはおなじみの漫画がたくさん。特に目立つのはやはり少年ジャンプの作品群でした。棚の最上部は「DRAGON BALL」「NARUTO」で占められていますし、その下には「ONE PIECE」「DEATH NOTE」「BLEACH」など。
少年漫画だけでなく「しゅごキャラ!」「よつばと」「チーズスイートホーム」などの名前も。個人的には「だぁ!だぁ!だぁ!」があったのがびっくりでした……な、なつかしい……。
続いて、まさかの場所で出会いました。子ども向けのアニメを制作するFuturecode、アニメーターの女性たちのPCの背景は……。
「けいおん!」「TIGER&BUNNY」でした(もう1人の方は「進撃の巨人」だったのですがファンアートだったので掲載するのはやめておきます)。
「けいおん!」は登場人物の1人・琴吹紬さんの別荘がフィンランドにある――という設定の親近感もあるのでしょうか。壁紙にしていた彼女は「Azunyanが好き」だそうです。
今勢いがあるのは? と聞いたら「Attack on Titan!」(「進撃の巨人」英題)と返ってきました。「NARUTO」「銀魂」あたりも長く人気のようです。少し話を聞いていると、コスプレを楽しむ人の割合が高いような印象を受けました。
私がフィンランドに着いた日曜日に、年に1度の大きなオタクイベント「DESUCON」(ですコン、と読みます)がヘルシンキから少し離れたラハティという街で開催されていたらしく、彼女たちはそれに参加してきたそうです。残念、あと1日早く着いていれば。
会場の様子はこんな感じ。コスプレイベントや同人誌の即売会、ステージイベント、DJパーティー、メイドカフェ「Cafe Ichigo」など盛りだくさんですね。プログラムを見ていて個人的に気になったのは「てるてる坊主ワークショップ」。確かに言われてみればてるてる坊主って日本文化っぽい……。
日本からのゲストも毎年呼んでおり、今年は「鋼の錬金術師」「交響詩篇エウレカセブン」の京田知己監督だったようです。
行きたくて行けなかったもう1つはヘルシンキ中心部にある「MANGA Cafe」。日本の漫画喫茶とは随分雰囲気が違うようです。
Facebookページでは、かなりの頻度でポッキーが紹介されているのが印象的。「ねるねるねるね」「つくろう!おべんとう」などおもしろお菓子も多くの「いいね!」を集めています。ネコやパンダの絵の描いてあるドーナツやカップケーキも「kawaii」テイストです。普段何気なく食べてるものは海外の方の目を通すとこんな風に見えるんですね。
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