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Siri(iOS 7)の運転中の利用は危険度が高い──米自動車協会調べ

» 2014年10月08日 11時07分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Appleの音声アシスタント機能「Siri」の運転中の利用は、他の自動車向けハンズフリー機能より注意力の妨げになりやすい──。全米の交通安全に取り組む非営利団体AAA(米自動車協会)は10月7日(現地時間)、このような調査結果を発表した。

 aaa 1 運転のみを基準とした注意力散漫レベルの実験結果(資料:AAA)

 実験は、被験者にアイトラッキングや心拍数計測装置を装着させて運転しながら各種のハンズフリー操作をしてもらうというもの(ドライビングシミュレーター、路上の双方)。実験結果に基づいて、各種操作における認知力の乱れを4つのレベル(4が最悪)で評価した。Siriのレベルは4だった。

 実験は2013年に実施され、対象となったSiriはiOS 7のもの。Siriでは、テキストメッセージの送受信、FacebookおよびTwitterのアクティビティの更新、カレンダーの確認を実施させた。比較対象のどの操作よりも複雑なので、認知力の乱れが最悪レベルなのは当然ともいえるが、実験を紹介する動画では、Siriが命令を聞き返すことにいら立ったり、命令が受け入れられた瞬間に(シミュレーターで)前の車に追突する被験者の様子が見られる。

 siri 2

 AAAのピーター・キッシンジャー氏は発表文で「音声コミュニケーションを採用する車内システム技術は交通安全に悪影響を及ぼす可能性がある。注意力阻害のレベルや安全への影響は、システムや操作内容によって大きく異なる」と語った。

 AAAのボブ・ダルベルネCEOは「将来的により安全なシステムを構築することは可能だとAAAは確信している」と語った。

 自動車メーカー別の音声操作システムの比較では、トヨタが米国で提供しているマルチメディアシステム「Entune」がレベル1.7で最も優秀という結果になった。

 AAA 3 メーカー別注意力散漫レベルの実験結果(資料:AAA)

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