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» 2014年11月21日 22時00分 公開

「VOCALOID4」が得た表現力、使いやすさとは──発表会を振り返る (4/5)

[松尾公也,ITmedia]

AHSはVOCALOID2からバージョンアップ決定

 AHSはVOCALOID2で提供していた「ボカロ小学生 歌愛ユキ」「ボカロ先生 氷山キヨテル」「SF-A2開発コードmiki」「猫村いろは」をVOCALOID4に対応させる。新しいビジュアルも公開した。

photo 新ビジュアルを発表する尾形社長

 同社はこれまで「クリエイターがたくさんの声を選べるように、新しい声をどんどんだそう」という方針で新規ライブラリの投入を優先し、同じ歌声ライブラリをVOCALOID新バージョンに合わせてバージョンアップしてこなかったが、AHSの尾形友秀社長は方針の変更を明らかにした。

 尾形社長は、VOCALOID3がMacに対応したこと、MacではVOCALOID2のインポートができないことがきっかけとなり、新バージョンに対応をすることに決めたという。これらの4つのライブラリは現時点では単一データベースであるためクロスシンセシスは使えないが、グロウルには対応する予定だ。新バージョンは時期は未定だが、「来年販売できれば」という。これまでのVOCALOID2版は併売する。

 ボカロPのグループであるボカロマケッツが企画し、AHSが販売を担当するVOCALOID3ライブラリ「結月ゆかり」もVOCALOID4になる。「やわらかい、ささやくような歌い方を究極まで追求した」というウィスパー系声色ライブラリとして「結月ゆかり 穏(おん)」も加え、2015年第1四半期にリリース予定。この2つのライブラリではクロスシンセシス、グロウルが使える。既に1000種類以上となっている補助的な音声データ、exVOICEも新しいものを準備中だ。

まさかの「Sweet Ann」?

 「がくっぽいど」「メグッポイド」をVOCALOID2/VOCALOID3向けにリリースしたインターネットの村上昇社長は、この2つのライブラリが複数のデータベースを持つためVOCALOID4のクロスシンセシスが使えること、同社の音楽制作ソフトである「ABILITY」とVOCALOID4 Editorとの同期機能が使えることをビデオメッセージで伝えた。

 VOCALOID4ライブラリへの対応については検討しており、今後アナウンスすると述べた。同社WebサイトではVOCALOID4対応について説明している。

 1st PLACEは、「IA」とその派生ライブラリである「IA ROCKS」との間でクロスシンセシスが使えるとしている。クロスシンセシスを使ったVSXQデータも公開する予定だ。

 「Sweet Ann」「Big Al」「Oliver」「YOHIOloid」というVOCALOID製品を販売する英PowerFXのビル・ブライアントCEOもVOCALOID4の発表を祝うビデオメッセージを寄せた。この中で流したビデオは、最初のVOCALOID2であるSweet Annと人間のボーカリストを対決させるという、当時話題になったものだった。女性ボーカリストはグロウルしたり、さまざまなボーカルテクニックを使うが、Sweet Annは声域の広さだけをアピールするというものだった。あえてこのビデオを出したということは、VOCALOID4でその認識が変わるということなのか、Sweet AnnをVOCALOID4に対応しようということなのか……。

 剣持さんによれば、同社を含め、海外からもVOCALOID4対応の話を進めているという。

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