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Facebookの「今年のまとめ」が生んだ悲劇──CSSの権威が改善を提案

» 2014年12月26日 09時08分 公開
[佐藤由紀子,ITmedia]

 米Facebookは年末に入り、ユーザーが1年のアクティビティを自動的にまとめて公開できる「今年のまとめ」の提供を始めたが、アルゴリズムで自動作成されるこのサービスはユーザーを傷つける恐れがあるとして、CSSの解説書で知られる著名な著作者でWebデザイナーのエリック・メイヤー氏が自身のブログでプロセス改善を提案している。

 「今年のまとめ」は、ユーザーがこの1年に自分でアップロードした写真およびタグ付けされた写真の中で「いいね!」やコメントが多かったもので構成され、最もいいね!が多かったものが「ハイライト」としてトップに表示される。ユーザーはこれを元に写真を入れ替えるなどの編集を加えて公開できる。

 Facebookはすべてのユーザーのニュースフィードに、自分の「今年のまとめ」を公開するよう促す投稿を何度も表示させている(右上のプルダウンメニューで非表示にすることは可能)。この投稿は、アルゴリズムが自動的にハイライトに選んだ写真の表示付きで、「○○さん、今年の思い出の瞬間を振り返って見ましょう!」と呼び掛けている。

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 メイヤー氏は今年、愛娘のレベッカちゃんを喪っており、同氏のハイライトはレベッカちゃんの写真だった。

 同氏は「私の今年は確かに今は亡き愛しい小さな娘がすべてだった。だが、それを強制的に思い出させようとするのは冷酷だ」と語り、「もちろん、これは意図的な悪意ある行為ではないことは理解している。(中略)だが、最愛の人を喪ったり、闘病中だったり、離婚したり、その他様々な困難を今年経験した人の中には、今年を振り返りたくない人もいる」と主張する。

 同氏は改善案として、ニュースフィードに表示する投稿でユーザーの写真を事前に組み込むことをやめることと、「今年のまとめ」をユーザーに押し付けるのではなく、まずプレビューを見たいかどうかユーザーに確認することを提案した。

 アルゴリズムというものは本質的に無思慮(essentially thoughtless)なものだが、事前に承諾を求めるようプロセスを変更することは難しいことではないはずだと同氏は言う。

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