「ワンダーフェスティバル 2015 winter」(2月8日、千葉・幕張メッセ)の会場では、3Dプリンタで作成した作品も見られた。3Dプリンタやデジタル造形ツールが新たな手段として普及しつつある今、フィギュアという造形ジャンルでも活用が始まっている。
3D Systemsの「ZPrinter 650」で15ミリほどの東北ずん子や日本鬼子などのフィギュアを制作しているのは、石膏粉末Pさん。素材の性質上、細い部分が壊れやすく、3Dプリンタを使った制作を始めた当初は業者から周りの粉ごと送ってもらい、粉を落とす工程から自分で行っていたという。上手く活用するにはプリンタや材質、用途ごとのくせを見極め、ノウハウの蓄積が必要――とこれまでの経験を踏まえて話す。
同じく「ZPrinter 650」で制作したミニフィギュアを制作するくるくる堂さんも、作るモチーフに合わせて工夫を重ねている。例えばこの雪ミクは、雪だるまと接触させることで強度を出し、プリント時の不良率を減らしているそうだ。
コスプレの小物を制作していたのはアトリエHerreriaのDaiさん。この日は東方プロジェクト・河城にとりが右手に持つパラボラ部分を3Dプリンタで作成し、おもちゃのピストルに取り付けていた。このように、入手困難なものをイメージ通りに、部品単位でほしいという動機には3Dプリンタは強い味方になりそうだ。
ワンダーフェスティバルを終えた翌日、デジタルスカルプティングツール「ZBrush」の最新版を出展していた米Pixologicのハイミ・ラベルさん、トマ・ルッセルさんが原型師・榊馨(さかき・かおる)さんを表敬訪問した。同行するチャンスに恵まれたのでその様子も紹介しよう。
榊さんの仕事場を訪れた一行は、ZBrushでの榊さんの作品とその作成過程を見学。ZBrushユーザーとして利用時の課題や問題点、複雑な部分の造形の工夫などを聞き、使い勝手を改善する方向性について実際のパーツを見ながら議論した。
2人は榊さんの才能を高く評価し、Pixologicの出展イベントにぜひ招待したいとラブコールを送っていた。
その後、秋葉原を訪問。初めて秋葉原を訪れたラベルさんは「機動警察パトレイバー」のプラモを大人買いし、「今度日本に来るときは、全社員連れてきますよ」と笑顔を見せた。
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