米Appleが、MacやiOS端末を持たないユーザーでも使えるオフィススイート「iWork for iCloud Beta」をひっそり公開した。米Macrumorsによると、2月12日(現地時間)に公開されたという。
正式版のiWorkは、Mac、iPad、iPhoneのいずれかを持っていないと作れないApple IDが必要だが、iCloud Betaでは、PCやAndroid端末でApple IDを作成し、iWorkを利用できる。このApple IDは正式版と異なり、カレンダーや連絡先はなく、iWorkのみが使える。
PCやAndroid端末のWebブラウザでiCloud Betaを開き、Apple IDを作成してログインすると、iWork for iCloudと1Gバイトの無料ストレージが使えるようになる。
iWorkは、Appleのクラウド版オフィススイートで、米Microsoftの「Microsoft Office」のWordに当たる「Pages」、Excelのような「Numbers」、PowerPointに代わる「Keynote」で構成される。当初Macユーザーに有料で提供されていたが、2013年に無料になった。
実際にWindows 7搭載PCのWebブラウザで新たなApple IDを作成して使ってみたところ、ChromeとFirefoxで問題なく使えた。Apple IDの作成で必要な個人情報はメールアドレスと生年月日のみで、登録したメールアドレスに送られてくるパスコードを入力するとログインできる。
このApple IDで正式版iCloudにログインすることはできない。iWorkの機能は正式版と同等のようだ。
なお、Android端末(Nexus 5)のブラウザでもiCloud Betaのページを開いてログインまではできたが、筆者の環境ではエラーが発生してiWorkは利用できなかった。
Appleは音楽サービスのiTunesはWindows版も提供しているが、クラウドサービスをApple製品以外で使えるようにするのはめずらしいことだ。一方、Microsoftはサティア・ナデラ氏がCEOに就任して以来、ソフトウェアやサービスのマルチプラットフォーム対応を促進しており、iPadやiPhone版のMicrosoft Officeを無料で提供している。また、米Googleも昨年5月、オフィススイート「Google Docs」のiOS版を無料公開した。
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