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» 2015年02月23日 11時45分 UPDATE

一度は挫折した大学生協「単位パン」、想定外の大ヒット生んだ蛍雪の功 書体にこだわり、焼き印の“特訓”も (3/3)

[岡田有花,ITmedia]
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ツイートの連鎖で話題 販売数、過去最高を更新

 単位パンの話題は、Twitterをきっかけに爆発的に広がった。「みなさまの声にお応えして……ついに、大学生協……単位(パン)売ります!」――昨年12月、東京理科大生協のTwitterが先陣を切って告知。1200以上リツイート(RT)され話題に火を付けた。年が明け、千葉大生協も写真付きで発売ツイート。7800回以上RTされ、ニュースサイトで取り上げられるなど話題が急拡大した。



 1月13日の発売以降は、テレビや新聞の取材が殺到。ほとんどのキー局から取材を受けたという。「食べ物関係でこんなに大きな反響があったことは、これまでなかった」と居藤さんは驚く。

 売れ行きも記録的だった。当初は「売り始めは1日2000個程度、その後は落ち着いて最終的に1日500個程度」と予想を立てていたが、初日から4000個を完売。2週目の初日は1日8000個と、大学生協のパン・米飯類の1日当たりの販売数で過去最高を記録。2週間の合計販売数は3万に上った。

 工場の生産体制も増強したが、焼き印のこては2つしかなく、1個押すのに7秒かかるため増産にも限界がある。やむを得ず受注数を制限し、本来は休日の土日にも操業してもらい、何とか対応してきたという。

 単位パンの販売は1月23日で終了したが、7月の試験期に再び販売する予定だ。1月はクリームパンだったが、7月は味を変えて出す計画。その後、来年1月の試験期にも再び、初代と同じクリームパンで販売することを計画している。

「卒業パン」や「内定パン」は……?

 単位パンを販売したのは首都圏の62大学・129店舗だったが、話題は首都圏の外に飛び火した。岩手大学生協は、店内で焼いたパンに焼き印で「単位」と印字した商品を急きょ売り出し。盛岡大学生協はチョコで「単位」と書いたパンを販売したという。

 「単位パンを全国展開できれば」――居藤さんにはそんな希望もある。全国の大学生協関係者が単位パンに興味を持っており、「各地のパン工場で同じ仕様書で商品を作り、一斉に販売する」などの方法を模索しているという。「単位パン」の商標登録も準備中だ。「課題は多いが、全国展開できると面白い。大学の試験期の風物詩的な商品に育ったら……」(居藤さん)

 「卒業パン」「内定パン」など、大学生のニーズを反映したほかのパンを作って欲しいというアイデアも寄せられているが、これらを商品化するつもりはないという。「いろいろ意見は出ているが、二番煎じは外れてしまうと思う。単位パンそのもののバリューも汚してしまいそうなので、“よそ見”をするのはやめようと」

 今回の大ヒットは「たまたま」だと居藤さん。「狙うとこうはならなかったと思う。食べ物なので、あまり“遊ぶ”と手に取ってくれないだろう。今後もこれまで通り、地道にやっていきたい」と、居藤さんは話している。

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