警視庁サイバー犯罪対策課は4月10日、「ネットバンキングウイルス無力化作戦」を始めたと発表した。日本を標的としているとみられるウイルス感染端末(ボットネット)約8万2000台(うち国内約4万4000台)を特定。民間事業者と連携し、感染PCの不正送金ウイルスが機能しないよう無力化を行うなどの対策を講じている。大規模なボットネット日本独自で撲滅する取り組みは初という。
ネットバンキングの不正送金を指令しているコマンド&コントロール(C&C)サーバを監視。国内外で約8万2000台のPCがウイルスに感染していることを把握した。そのPCでネットバンキングにアクセスすると改ざんされた画面が表示され、IDやパスワードを詐取されて不正送金の被害にあう可能性があるという。
同課は民間事業者と連携し、不正送金ウイルスが機能しないよう無力化を行うなど、被害拡大防止策を実施。特定した国内4万4000台のPCについては、各端末のIPアドレスを管理するISPなどに連絡し、ウイルス駆除の注意喚起を行うよう情報提供を開始した。海外3万8000台に関しては、国際刑事警察機構(ICPO)などを通じて該当国の捜査機関に情報提供を開始した。
国内でネットバンキングの不正送金被害は、昨年1年間で1876件、被害額は約29億円と過去最悪となっているという。
金融機関向け不正送金対策ソリューションを提供するセキュアブレインが同日、同作戦に協力したと発表した。
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