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Google、高速プロトコル「QUIC」をChromeとモバイルのデフォルトに

» 2015年04月20日 08時28分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 米Googleは4月17日(現地時間)、TCPに代わる高速ネットワークプロトコル「QUIC」(クイックと読む)を、Googleクライアント(ChromeおよびAndroidアプリ)からGoogleのサーバへのデフォルトプロトコルに移行していくと発表した。

 QUICの採用により、TCPよりもページ読み込みが速くなるという。また、輻輳管理と損失回復機能の強化により、特にYouTubeのような動画サービスでは動画再生中の再バッファが従来より30%減るという。

 QUICは、Googleが2013年に発表したUDP(User Datagram Protocol)をベースにしたトランスポート層のプロトコル(QUICはQuick UDP Internet Connectionsのアクロニム)。UDPは、TCPにあるような送達確認機能などを省くことで、そうした処理に必要なオーバーヘッドを削減し、遅延を低減する。例えばVoIPやQuickTimeストリーミングなど、適時性が重要なサービスで採用されている。

 GoogleはQUICで、TCPとUDPの長所を併せ持つプロトコルを目指している。TCPはセキュアな接続を確立するまでに2〜3回のラウンドトリップを必要とするが、QUICは過去に接続したことのあるサーバに接続する際はラウンドトリップなしで接続できるよう設計されている。これにより、Google検索のような最適化されたページでも、ページ読み込み速度が3%改善されるという。

 quic TCP、UDP、QUICの接続確立

 Googleはここ3カ月、GoogleサービスへのQUIC経由のトラフィックを増やしており、現在は全体のほぼ半分がQUIC経由になっているという。

 同社はまた、インターネット技術の標準化を策定するIETF(Internet Engineering Task Force)にQUICの標準化を申請する計画も発表した。

 これはGoogleのWeb高速化の取り組みの一環。同社は以前、HTTPをサポートする独自のアプリケーション層の高速プロトコル「SPDY」を立ち上げ、その機能の多くは間もなく策定されるHTTP/2で採用された。


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