「(ユーザーの選択の自由という点で)Microsoftが劇的に後退したことに非常に落胆した」──。Mozillaのクリス・ベアードCEOは7月30日(現地時間)、米Microsoftのサティア・ナデラCEO宛の公開書簡でこう嘆いた。
これは、Microsoftが29日にリリースした「Windows 10」で、デフォルトブラウザが同社の「Edge」に設定されていることを問題視したもの。Windows 7/8.1でFirefoxやChromeを使っていても、Windows 10にアップグレードするとデフォルトブラウザがEdgeになってしまうという。
Webブラウザの選択の自由に関しては、MicrosoftはかつてInternet Explorer(IE)をWindowsに同梱したことが独禁法違反とみなされ、欧州委員会からたびたび制裁を受けている。
Windows 10でFirefoxやChromeを最初に起動しようとすると以下のような画面が表示される。ここで「Firefoxをデフォルトブラウザとして使う」をクリックしても、設定を完了するまでに数ステップ必要だ。
しかも、上図のボタンをクリックするとWindows設定画面が開くが、ブラウザの設定はスクロールしないと表示されず、設定を変更するにはMicrosoft Edgeのアイコンをクリックする必要があるのは、ユーザーにとって分かりにくいとMozillaは指摘する。
ベアード氏は公開書簡で、この仕様はWindowsを愛しつつブラウザは他社のものを選んでいる数百万人ものユーザーを混乱させるとし、「このビジネス戦術を再考し、仕様を分かりやすくすることでユーザーの選択の権利を尊重するよう強く要請する」と語った。
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