前週にはAppleの新製品発表会にMicrosoft社員が登壇したことも受け、「少なくとも2年前はMicrosoftがこのような場に出てくることは考えられなかったのでは?」と司会者に聞かれると、「モバイル、クラウドが進む今、成功の形として最も重要なのはカスタマーにバリューを与えること。ユーザー自身がデバイスやアプリを選択するのは当然で、我々もゼロサムで選択肢を狭めるのではなく多方向で競争していく」と述べた。
Salesforceとは同日、戦略的提携の強化も発表。「Outlook 2013」「Office 365」と連携する「Salesforce App for Outlook」「Salesforce1 Mobile App for Office」の2製品のリリース、「Skype for Business」をSalesforceの新UI「Lightning Experience」と融合するなど、製品面での連携を深めていく。
ホログラフィック技術「Windows Holographic」を搭載するヘッドマウントディスプレイ「HoloLens」に関しても触れ、「デスクトップPCやスマホが実世界のデジタル化を目指したものだとすると、Holendsはデジタルと現実が組み合わさることが面白く新しい感覚。ここ最近毎日使っているが世界が変わってきた」と自信を見せた。
製品化は来年を予定するものの、ロードマップは現在思案中という。早い段階で開発者向けキットを提供し、製造業やヘルスケアなどエンタープライズ向けのシナリオを提案していければとした。ゲームなどエンターテインメントの分野、新たな表現メディアとしての可能性などにも期待を寄せる。
最後に「夜眠れなくなるほど心配なことはあるか」と聞かれると、「眠れないというより……毎朝起きて考えることは常に同じ。それは『文化はすべてだ』ということ」と答えた。
「社員それぞれがベストを尽くすことが企業文化を育て、成功につながっていく。CEOの真の仕事は文化を作ることではなく、いい状態をキープできるようキュレーションすること。自分がいつも正しいとは言わないが、社員をエンパワーメントした先に企業価値が生まれると思う」(ナデラCEO)
本セッションの前座として、Salesforce.comのマーク・ベニオフCEOと親交のある「X JAPAN」のドラマー・YOSHIKIさんがサプライズ登場。桜吹雪の舞う映像をバックに、米国国歌などをピアノで演奏した。TwitterにベニオフCEO、ナデラCEOとのスリーショットを掲載している。
約1時間のナデラCEOのセッションの様子はDreamforce公式YouTubeチャンネルで見られる。
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